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速報 | 為替・金利 | 2026年11月5日 11:50

日銀9月会合の要旨「利上げ幅の議論が必要」 反対は据え置き派から利上げ派へ

日銀は5日(木)8時50分、政策金利を1.25%程度に上げた9月17・18日の会合の議事要旨を公表した。ある委員は「利上げ幅の議論が必要な新たな局面に移行している」と述べ、委員は今後も利上げを続けることで一致していた。9月は据え置きを求めた2人が反対したが、10月の会合では1人が1.5%への利上げを求めて反対しており、反対の向きはこの6週間で逆になった。

動画:ANNnewsCH「【速報】政策金利を1.25%程度に 日銀 利上げ決定 31年ぶり水準」(2026年9月18日) YouTube で見る

まず議事要旨の中身だ。9月の会合では、政策金利を0.25%上げて1.25%程度とする議長案が賛成7・反対2で決まった。反対した浅田委員と佐藤委員は、消費者物価(生鮮食品を除く)の伸びが2%を下回り、景気も強いとはいえない、物価の見通しを見極めるにはもう少し時間が要る、として1.0%での据え置きを主張した。一方、賛成側では、ある委員が「6月から3か月後の利上げ」で間隔が短くなるのは、中東情勢による景気の悪化が心配されたほど起きず、経済が想定より底堅かったためだと説明した。2024年と2025年の利上げはおおむね年2回だったが、別のある委員は、米欧の中央銀行が利上げに向かうなかで「一定の利上げペースにとらわれず」、利上げ幅も議論すべき新たな局面に移ったとの見方を示した。先行きについては、委員全員が、経済・物価に応じて引き続き政策金利を引き上げるのが適当だとの認識で一致した(日銀の議事要旨)。

利上げを急ぐ理由として議事要旨に並ぶのは、物価の上振れへの警戒だ。委員は、基調的な物価上昇率(一時的な動きを除いた物価の伸び)が2%に近づいていると認識を共有し、消費者物価(生鮮食品を除く)の伸びは2026年度後半以降、2%をはっきり上回るとみていた。ある委員は、7月と比べて原油の値段は約50%上がり、為替は約5%円高になったと指摘し、この状態が続けば全体として物価を相応に押し上げるとした。家賃などを除いたサービスの値段は2年近く3%程度の伸びが続いており、むしろ加速しないよう注意すべき局面だ、との意見もあった。物価上振れの兆しが見えれば「そのペースを速めざるを得ない」と述べた委員もいる。共同通信とロイターも、利上げ幅を議論する局面という意見や、速いペースでの利上げを意識した意見が出ていたことを伝えている。

どこまで上げるのか、という議論もあった。ある委員は、市場が見込む利上げの到達点を表すとされるOIS(金利スワップ)の2年先1年物が2%を超えていると指摘した。中立金利(景気を熱しも冷やしもしない金利)について、潜在成長率に2%の物価目標を足す考え方なら今は2%を超える、という委員がいた一方、市場の利上げの見込みは賃金・物価の実態よりやや先走っている、という委員もいた。ロイターによると、日銀のスタッフは名目の中立金利を1.1〜2.5%と推計している。会合に出席した内閣府は、これまでの利上げが積み重なって与える影響を十分に点検するよう日銀に求めた。

株式市場とのつながりでは、ある委員が、最近の株高や円安は金融環境をより緩和的にする方向に働いていると指摘し、こうした資産価格の動きを金融環境の評価にどう位置づけるか検討を深める必要があると述べたのが目を引く。金利が上がる局面では、一般に銀行は貸し出しの利ざやが広がりやすく、借り入れの多い不動産や、将来の利益を割り引いて評価されるグロース株には重しになりやすい。5日の前引けでは三菱UFJフィナンシャル・グループが3468円(+3.21%)、三井住友フィナンシャルグループが3209円(+2.00%)、みずほフィナンシャルグループが7750円(+2.69%)と銀行株がそろって上げたが(株探・Yahoo Finance)、この日は米中間選挙のあとでAI・半導体株から自動車・銀行などへ資金が移る動きも出ており、議事要旨への反応とは言い切れない。円相場は11時45分に1ドル=157.95円と、前日の終値(158.33円)より0.38円の円高だった(Yahoo Finance、Yahoo!ファイナンス)。

読み解きとしては、日銀の中の議論が「上げるかどうか」から「どれだけ速く、どこまで上げるか」に移っていることが、2つの決定の票の割れ方に表れている。9月の反対2票はどちらも据え置きを求める票だったが、10月29・30日の会合では、金利を1.25%程度に据え置く議長案が賛成8・反対1で決まり、反対した高田委員は「中立金利に近づけるペースを速める新たな局面に入った」として1.5%程度への利上げを提案した(日銀の10月30日の発表、ヨリビケの10月30日の記事)。ロイターによると、同社の調査では12月に1.5%に上がるとみるアナリストが多く、利上げの到達点の予想は1.75〜2.0%が中心だ。この先は、11月10日(火)8時50分に出る10月会合の「主な意見」で、高田委員のほかにもペースを速める意見があるかが、12月17日(木)・18日(金)の会合を占う材料になる。

数字で見る

9月会合(9/17・18)政策金利1.0%→1.25%程度、賛成7・反対2(浅田委員・佐藤委員は1.0%での据え置きを主張)(日銀)
10月会合(10/29・30)1.25%程度で据え置き、賛成8・反対1(高田委員が1.5%程度への利上げを提案、否決)(日銀 10/30 発表)
利上げの間隔2024・25年はおおむね年2回 → 2026年は6月・9月と3か月(議事要旨)
原油と為替(9月会合時点、ある委員の指摘)7月と比べ原油は約50%上昇、為替は約5%円高(議事要旨)
市場の見方OIS 2年先1年物は2%超(9月会合時点、ある委員の指摘=議事要旨)。ロイターの調査では12月に1.5%の予想が多く、到達点は1.75〜2.0%が中心
円相場(11/5 11:45)1ドル=157.95円(前日の終値158.33円から0.38円の円高)(Yahoo Finance、Yahoo!ファイナンス)
銀行株(11/5 前引け)三菱UFJ 3468円(+3.21%)、三井住友FG 3209円(+2.00%)、みずほFG 7750円(+2.69%)(株探・Yahoo Finance)
ヨリビケの見方9月は反対2票がどちらも「据え置き」、10月は反対1票が「利上げ」と、反対の向きが6週間で逆になった(日銀の発表から整理)。いまの政策金利1.25%は、ロイターが伝える日銀スタッフの中立金利の推計(1.1〜2.5%)の下の端に近く、その真ん中の1.8%までは0.55ポイント、0.25%ずつの利上げなら2回分あまりの距離にあたる(ヨリビケ計算。日銀が中立金利をめざすと決めたわけではない)。

次に見るポイント

  • 11月10日(火)8:50:10月会合の「主な意見」(日銀)。高田委員のほかにも、利上げのペースを速める意見があるか
  • 今週:植田総裁がワシントンの国際通貨基金(IMF)のセミナーで話す予定(ロイター)。12月の判断につながる発言があるか
  • 12月17日(木)・18日(金):次の金融政策決定会合(日銀)
  • 12月23日(水)8:50:10月会合の議事要旨(日銀)

関連する動画

動画:テレ東BIZ「【LIVE】日銀 2%物価目標に到達と表明 政策金利は据え置き」(2026年10月30日) YouTube で見る

出典

白石ひかり ・ 特集 11:50 ・ 2026年11月5日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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