日本製鉄、純利益予想を4400億円に52%上げ USスチールが伸び、税の一時益も
日本製鉄(5401)は5日(木)15時30分、今期(2027年3月期)の純利益の予想を2900億円から4400億円に引き上げた。上積み1500億円のうち961億円は、米国子会社USスチールの設備投資に伴う州の税額控除という一度きりの利益だ。発表は取引が終わったあとで、夜間の私設取引(PTS)では東証の終値を3%台上回る値がついた。
会社の発表によると、4〜9月の純利益は2629億円で、8月4日に出していた予想(1200億円)の2倍を超えた。前の年の同じ時期は、米国の合弁の持分を手放したことによる損失などで1133億円の赤字だった。売上収益は5兆8441億円(前年同期比26.1%増)、本業のもうけを示す事業利益は3074億円(35.1%増)。通期の予想は売上収益を11.2兆円から11.7兆円に、事業利益を6300億円から7200億円に上げた。
伸びを引っぱるのはUSスチールだ。会社は、在庫の評価などを除いた「実力ベース」の事業利益で、USスチール(スロバキアの製鉄所を含む)が今期2300億円以上を稼ぐと見込み、8月の見通し(1800億円)から500億円上げた。米国の鋼材の値段が上がり続けていることと、買収後の操業の効率化が進んでいることを理由に挙げる。グループ全体の実力ベース事業利益は7000億円から7700億円以上に上げたが、上げた700億円はすべて海外の分で、国内は3800億円のまま据え置いた。
純利益を大きく押し上げたのは、USスチールが米アーカンソー州で進める新しい製鉄設備(Big River 2)への投資に伴う州の税額控除だ。会社はこの効果961億円を、税金の費用が減る形で4〜9月にまとめて計上した。毎年続く利益ではない。配当の予想は年24円(うち中間12円)のまま変えなかった。
株価は、発表前の東証の取引では666円(前日比+0.89%)で終えた。同じ日、日経平均は半導体株の売りで1110円下げている。発表後、夜間のPTSでは18時45分時点で690.5円と、東証の終値を3.68%上回った(Yahoo!ファイナンス)。株探の試算では、10〜3月の純利益は1770億円で、前年同期より35.6%多い計算になる。
この先は、6日(金)の東証で決算を受けた最初の値動きと、米国の鋼材の値段が続くかが焦点になる。USスチールでは、ペンシルベニア州のモンバレー製鉄所で約30億ドル(約4700億円)をかけて熱延設備を新しく作ることも決めた(会社の資料)。
数字で見る
| 今期の純利益の予想 | 2900億円 → 4400億円(+51.7%)(業績予想の修正) |
|---|---|
| うち一度きりの税の効果 | +961億円(アーカンソー州の税額控除)(会社の資料) |
| 4〜9月の純利益 | 2629億円(8月時点の予想は1200億円、前年同期は1133億円の赤字)(決算短信) |
| 今期の事業利益の予想 | 6300億円 → 7200億円(業績予想の修正) |
| USスチールの実力ベース事業利益 | 1800億円 → 2300億円以上(会社の資料・Investing.com) |
| 配当の予想 | 年24円(中間12円)で据え置き(会社の資料) |
| 株価(11/5) | 東証終値666円(+0.89%、発表前)、PTS 690.5円(18:45、終値比+3.68%)(株探・Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 11/6(金):東証で決算を受けた最初の株価の反応
- 11/9(月):半期報告書の提出予定(決算短信)
- 12/4(金):中間配当12円の支払い開始予定(決算短信)
- 米国の鋼材の値段:USスチールの利益見通しの前提
- 2027年4月1日:山陽特殊製鋼との統合予定(会社の資料)
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出典
神崎玲子 ・ 特集 18:50 ・ 2026年11月5日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









