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速報 | 企業・決算 | 2026年11月5日 12:47

日本郵船、年間配当を240円→330円に 上期経常益80%増も株は5%安

日本郵船(9101)が5日(木)12時、4〜9月期の決算を発表した。経常利益は前年同期より79.8%多い2132億円。通期の予想は10月29日(木)に上げた3350億円のまま据え置き、年間配当の予想だけを240円から330円へ90円引き上げた。海運業が業種別で下落率トップとなった日で、株価は発表のあとも前日より5%あまり安い。

動画:【公式】日本郵船 チャンネル「2026年3月期 決算説明会(質疑応答を含む)」(前の期の説明会。11/5の説明会の動画は会社のサイトに後日掲載予定) YouTube で見る

会社の決算短信によると、4〜9月の売上高は1兆5050億円(前年同期比27.3%増)、経常利益は2132億円(79.8%増)、純利益は2034億円(106.9%増)だった。7〜9月の3か月だけで見ると経常利益は1420億円で、前年の同じ時期(627億円)の約2.3倍になる。配当は、9月30日(水)を基準日とする中間配当を予想の120円から165円に上げ、期末も165円を予定する。年間330円は前期(230円)より100円多い。

利益を押し上げたのはコンテナ船だ。経常利益の増加946億円のうち、コンテナ船を含む定期船事業が646億円を占める。日本郵船・商船三井・川崎汽船の3社が出資するコンテナ船会社ONE(オーシャン ネットワーク エクスプレス)からの持分法による利益は805億円にのぼった。短信は、北米航路の旺盛な需要と港の混雑で船が足りず、運賃が前年を大きく上回ったと説明している。原油タンカーなどのエネルギー事業も増益で、会社は大型原油タンカー(VLCC)の市況が「ホルムズ海峡封鎖の影響」で歴史的な高水準になったと書いている。

一方で、すべての事業が伸びたわけではない。自動車船を中心とする自動車事業の経常利益は490億円から351億円に減った。短信はホルムズ海峡の封鎖に伴う航路の変更、燃料費の増加、港の混雑、借りる船のコストの急上昇を理由に挙げる。物流事業も62億円の黒字から8億円の赤字になった。同じ海峡の問題が、タンカーには追い風、自動車船には向かい風になった形だ。

株価は、発表の前から下げていた。前日の米国市場では、トランプ大統領が対イランの攻撃を強めないとの見方から原油が下がった(フィスコ、株探掲載)。5日の東京では海運業が業種別の下落率トップとなり(株探 12:33時点)、日本郵船は前引けで7049円(前日比5.5%安)。12時の発表後、後場の寄り付きの1分間に7146円まで戻す場面があったが、12時31分は7030〜7049円(同5.5〜5.8%安)と、前引けとほぼ同じ水準にある(株探・Yahoo Finance、ともに約15分遅れ)。商船三井(前引け8.2%安)、川崎汽船(同6.4%安)も大きく下げている。

この先の焦点は、会社の下期の前提だ。上期の実績と据え置いた通期予想から計算すると、10月〜来年3月の経常利益は約1217億円で、上期の2132億円より4割あまり少ない計画になる。前提の為替は10〜12月が1ドル=156円、1〜3月が155円で、5日昼の157.9円よりやや円高に置いている。会社は5日にアナリスト・機関投資家向けの説明会を開き、資料と動画を自社サイトに載せる予定としている。

数字で見る

4〜9月の経常利益2132億円(前年同期比79.8%増)(決算短信・株探)
7〜9月の経常利益1420億円(前年同期627億円の約2.3倍)(決算短信の四半期推移・株探)
通期の経常利益予想3350億円(10/29に2500億円から上げ、今回据え置き)(決算短信)
年間配当の予想240円→330円(中間165円・期末165円、前期230円)(11/5 会社発表・株探)
中間配当165円、基準日9/30、支払い開始12/2(会社発表)
株価(11/5)前日終値7460円 → 前引け7049円(−5.5%)→ 12:31 7030〜7049円(−5.5〜−5.8%)(株探・Yahoo Finance、約15分遅れ)
事業別の経常利益(4〜9月)定期船333億→979億円、エネルギー303億→454億円、ドライバルク−15億→297億円、自動車490億→351億円、物流62億→−8億円(決算短信)
ヨリビケの見方年間330円の配当は、会社の1株利益予想817.36円の40.4%にあたり、会社の掲げる「配当性向40%が目安」とほぼぴったり重なる(ヨリビケ計算)。10月29日に利益予想を34%上げた時点で、方針どおりなら配当も上がる計算だった。12時31分の株価7030〜7049円で割ると配当利回りは約4.7%、もとの予想240円なら約3.4%だった(ヨリビケ計算)。一方、通期の経常利益予想に対する上期の進み具合は63.7%で、下期は上期より4割あまり少ない計画になっている(ヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 11月5日(木):アナリスト・機関投資家向けの決算説明会。資料と動画を会社のサイトに掲載予定。下期の運賃の見方
  • 11月10日(火):半期報告書の提出予定日(決算短信)
  • ホルムズ海峡をめぐる動き:会社はVLCCの市況高を海峡の封鎖の影響と説明。戦争の終わりが見えればタンカーの前提がどう変わるか
  • 12月2日(水):中間配当165円の支払い開始(会社発表)

関連する動画

動画:ロイター(Reuters Japan)「超大型タンカー運賃が過去最高水準に、急騰する世界の石油・ガス輸送 ホルムズ海峡巡る懸念広がる」(2026年3月4日) YouTube で見る

出典

御堂聡一 ・ 特集 12:47 ・ 2026年11月5日

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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