クアルコム、時間外で6%超安 スマホ向け26%減、日中の上げを帳消し
米半導体のクアルコムは米国時間4日(水)の取引終了後に7〜9月期の決算を発表し、株価は時間外で6%超下げた。スマホ向けの半導体の売上が前年より26%減り、次の四半期の利益の見通しも、真ん中の値が市場予想にわずかに届かなかった。同じ夜に決算を出したアーム(ソフトバンクグループの子会社)も、売上は7〜9月期として過去最高ながら時間外で小幅安となった。
クアルコムの7〜9月期(会社の第4四半期)の売上は103億2200万ドル(約1.6兆円)で、前年同期より8%減った(会社の発表資料、米SEC提出。以下、円は1ドル=158円で計算)。1株利益(特別な項目を除く)は2.17ドルで、前年の3.00ドルから28%減ったが、市場予想の2.16ドルはわずかに上回った(investingLive)。部門別では、スマホ向けが51億3700万ドル(約8100億円)と26%減った一方、自動車向けは19億9000万ドル(約3100億円)と89%増え、IoT(家電や産業機器など)向けも4%増えた。
株価が下げたのは先の見通しだ。10〜12月期の売上を104億〜112億ドル(約1.6兆〜1.8兆円)、1株利益(同)を2.15〜2.35ドルとした。CNBC によると、FactSet がまとめた1株利益の市場予想は2.26ドルで、見通しの真ん中の2.25ドルはわずかに下回る。会社は発表資料で、メモリーを含む半導体業界全体で部品などのコストが上がっており、製品の値上げで補うが、利益率に効果が出そろうのは2027年度の後半(2027年4〜9月)になると説明した。
この日のクアルコム株は、通常取引で5.33%高の173.19ドルで終わっていた。米中間選挙の結果を受けてダウが3%超上げるなど、市場全体が大きく上げた日でもあった。朝には、スペースXが米国で始める携帯電話サービス「スターリンク・モバイル」の地上の基地局に、クアルコムの無線機器とソフトを使う複数年の契約を発表していた(CNBC、ロイター)。数万か所の基地局で2027年から使い始める計画で、クアルコムは「5Gで過去最大の案件」としている。契約の金額は明らかにしていない。時間外では米東部時間17時43分時点で161.79ドル(一時160ドル前後、Yahoo Finance)で、日中の上げをすべて打ち消して前日の終値(164.43ドル)も下回った。
同じ夜のアームの7〜9月期(会社の第2四半期)は、売上が14億4000万ドル(約2300億円)と前年より27%増え、7〜9月期として過去最高だった(会社の発表)。伸びを引っぱったのは、半導体の設計図を使う権利を売るライセンス収入で、7億7300万ドル(約1200億円)と50%増えた。一方、チップが1個売れるごとに入るロイヤルティー収入は6億7000万ドル(約1100億円)で、前年からの伸びは8%にとどまったと米メディアが伝えた(金額は会社の発表)。会社は、データセンター向けのロイヤルティーは2倍になったとし、主要なクラウド大手のサーバーでアームの設計を使う割合が2026年末に60%を超えると見込む。株価は通常取引で5.28%安の191.80ドル、時間外ではさらに約1〜2%下げた(Yahoo Finance、CNBC)。
読み解きとしては、2社とも「スマホの外」に伸びを求める流れがはっきりしたことだ。クアルコムはスマホ以外の売上が前年より60%超伸びる見込みと、2027年度のデータセンター向けの売上目標50億ドル(約7900億円)を改めて示した。ただ、まだ売上の約半分はスマホ向けで、メモリーなどのコスト高がスマホの周りに重くのしかかる局面では、そこが全体の数字を左右する。ヨリビケの3日の記事のアップル(メモリー高で利益率の見通しが下がる)、4日の記事のスカイワークス(スマホ向け部品の見通しが下振れ)に続き、スマホの周りの決算に同じ影がかかった形だ。東京市場では、アームの親会社のソフトバンクグループ(9984)と、スマホ向けの電子部品の会社に、この2社の決算がどう受け止められるかが5日(木)の見どころになる。ソフトバンクグループは11月10日(火)に決算を発表する。
数字で見る
| クアルコム 7〜9月期の売上 | 103億2200万ドル(約1.6兆円)、前年同期比−8%(会社の発表資料) |
|---|---|
| クアルコム 部門別(7〜9月期) | スマホ向け51億3700万ドル(約8100億円)−26%、自動車向け19億9000万ドル(約3100億円)+89%、IoT向け18億8800万ドル(約3000億円)+4%(同) |
| クアルコム 10〜12月期の見通し | 売上104億〜112億ドル(約1.6兆〜1.8兆円)、1株利益(特別な項目を除く)2.15〜2.35ドル(市場予想2.26ドル・FactSet、CNBC) |
| クアルコム株(11/4 水) | 通常取引 173.19ドル(+5.33%)→ 時間外 161.79ドル(17:43 米東部、−6.6%)(Yahoo Finance、CNBC) |
| アーム 7〜9月期の売上 | 14億4000万ドル(約2300億円)、+27%。ライセンス7億7300万ドル(約1200億円)+50%、ロイヤルティー6億7000万ドル(約1100億円)+8%(会社の発表、米報道) |
| アーム株(11/4 水) | 通常取引 191.80ドル(−5.28%)、時間外は約1〜2%安(Yahoo Finance、CNBC) |
| ソフトバンクグループ(9984) | 決算発表は11/10(火)15:30、説明会16:30(会社の発表) |
次に見るポイント
- 11/5(木) 東京市場で、ソフトバンクグループやスマホ向けの電子部品の会社がどう動くか
- 11/5(木)日本時間23:30〜 米国の通常取引で、クアルコムとアームの時間外の下げが続くか
- 11/10(火)15:30 ソフトバンクグループの決算。アームの株価が保有資産の価値にどう効くか
- クアルコムの値上げが、2027年4〜9月に利益率へどこまで表れるか
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出典
神崎玲子 ・ 特集 07:47 ・ 2026年11月5日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









