シマノ、通期の営業益予想を15%上げ 在庫調整が進み、夜間取引で7%高
シマノ(7309)が27日(火)15時30分に1〜9月期の決算を発表し、2026年12月期の営業利益の予想を470億円から543億円に引き上げた。欧州や中国で店や問屋に積み上がっていた自転車部品の在庫の調整が進み、需要が戻ってきたためだ。東証の終値は18,450円(0.83%安)だったが、発表後の夜間取引(PTS)では19,800円台と7%あまり高い値がついた。
白石ひかり ・ 特集 22:50 ・ 2026年10月27日シマノが27日(火)に発表した1〜9月期の連結決算は、売上高が3752億円(前年同期比6.9%増)、営業利益が445億円(21.8%増)、経常利益が518億円(71.5%増)、純利益が400億円(2.5倍)だった(決算短信)。あわせて通期の予想を、売上高4910億円→4955億円、営業利益470億円→543億円(15.5%増額)、経常利益560億円→623億円(11.3%増額)、純利益430億円→470億円(9.3%増額)に引き上げた。営業利益の予想は前の期の517億円を5.1%上回る水準になる。年間配当363円の予想は変えていない。株探の試算では、7〜9月の3か月の売上高営業利益率は13.5%で、前年同期の7.4%から大きく上がった。
背景にあるのは、自転車部品の「在庫の山」がようやく片付いてきたことだ。コロナ禍の自転車ブームのあと、完成車メーカーや販売店に部品の在庫が積み上がり、シマノの受注は落ち込んだ。前の年の1〜9月は営業利益が27.8%減っていた。今回の決算短信では、主力の欧州で店頭販売が堅調に推移し、ドイツをはじめ市場在庫の改善が進んだ、中国でもやや高めだった在庫の調整が進んだ、と説明している。一方、北米は関税の影響などで完成車の値段が高止まりし店頭販売は低調、日本も弱含みと、地域によって差は大きい。自転車部品の1〜9月の営業利益は334億円(10.9%増)、釣具は111億円(72.9%増)で、釣具の伸びが目立った。
数字を読むときの注意点が1つある。経常利益が71.5%も増えたのは、本業の伸びより、為替の損が小さくなったことが大きい。前の年の1〜9月は為替差損が184億円あったが、今年は17億円にとどまった(決算短信の損益計算書)。会社は通期の予想を上げた理由に、在庫調整の進展による需要の増加と、「主にアジア通貨安」の為替影響による利益の改善を挙げた。ただし7〜9月だけをみると為替の評価損などの営業外の費用が増えたとして、経常利益の上げ幅(63億円)は営業利益の上げ幅(73億円)より小さくした。円相場だけでなく、アジアの通貨の動きも利益を左右する会社だということがわかる。
株価は27日(火)の東証で18,450円(前日比155円安、0.83%安)と、この日の安値で取引を終えた。発表は大引けと同じ15時30分で、その後のPTSでは株探の表示で22時1分時点に19,800.5円と、東証の終値より7.32%高い(Yahoo!ファイナンスでも19,800円)。ただし夜間の出来高は1,900株と少なく、28日(水)の東証の値段とは違うことがある。年初来の高値は7月30日の21,530円、安値は6月9日の15,320円。時価総額は約1兆5965億円(株探)。同じ日にシマノは、取締役の任期を2年から1年に短くする定款変更を2027年3月の定時株主総会にかけること、新しい社外取締役の候補を選ぶこと、指名・報酬諮問委員会の委員長を社外取締役にすることも含めて見直すことも発表した。1〜9月には自社株買いで約413億円分の株を取得している。
この先の注目は3つある。1つ目は、28日(水)の東証でPTSの値動きがどこまで続くか。2つ目は10〜12月の数字だ。会社の新しい通期予想から1〜9月の実績を引くと、10〜12月の営業利益は約98億円で、前の年の同じ時期(約151億円)を下回る計画になる。会社が慎重に見ているのか、北米などの弱さを織り込んでいるのかは、決算短信からはわからない。3つ目は、社外取締役の候補や指名・報酬諮問委員会の新しい形など、ガバナンスの見直しの中身で、会社は「決定次第お知らせ」するとしている。
数字で見る
| 1〜9月 売上高 | 3752億円(前年同期比+6.9%、決算短信) |
|---|---|
| 1〜9月 営業利益 | 445億円(+21.8%) |
| 1〜9月 経常利益 | 518億円(+71.5%)。為替差損は184億円→17億円 |
| 通期 営業利益の予想 | 470億円 → 543億円(+15.5%、前期比+5.1%) |
| 通期 経常利益の予想 | 560億円 → 623億円(+11.3%) |
| 1〜9月 事業別の営業利益 | 自転車部品334億円(+10.9%)、釣具111億円(+72.9%) |
| 27日(火)の終値・PTS | 18,450円(−0.83%)、PTS 19,800.5円(22:01、東証終値比+7.32%、出来高1,900株、株探・Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 28日(水)朝:東京市場の寄り付きで決算への最初の反応(27日のPTSは東証終値より7.32%高、出来高は1,900株と少ない)
- 10〜12月:欧州・中国の市場在庫の調整が続くか、北米の店頭販売が持ち直すか
- 10〜12月:会社の計画では営業利益約98億円(前年同期は約151億円、ヨリビケ計算)
- 今後:新しい社外取締役の候補と、指名・報酬諮問委員会の見直しの中身(会社は決まり次第発表)
- 2027年3月:定時株主総会に取締役の任期を1年にする定款変更をかける予定
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※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。







