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信越化学、7〜9月の営業益27%増 AI向け半導体材料が利益の半分超

信越化学工業(4063)が27日(火)の取引終了後に4〜9月期の決算を発表した。7〜9月の3か月だけで営業利益は2121億円と前年同期より27%増え、そのうち55%をシリコンウエハーなどの電子材料が稼いだ。通期の計画は7月時点のまま据え置いた。

御堂聡一 ・ 特集 15:50 ・ 2026年10月27日
動画:テレ東BIZ「信越化学工業 群馬に新工場 先端半導体材料を生産【WBS】」 YouTube で見る

信越化学工業が27日(火)15時30分に発表した4〜9月期(上期)の連結決算は、売上高が1兆4206億円(前年同期比10.6%増)、営業利益が3859億円(15.6%増)、経常利益が4151億円(13.0%増)、純利益が2869億円(11.3%増)だった。伸びが目立つのは後半の7〜9月で、売上高7582億円(15.6%増)、営業利益2121億円(26.9%増)、経常利益2229億円(20.1%増)。4〜6月の営業利益1737億円からも約2割増えた(決算短信、株探)。

けん引役は電子材料事業だ。上期の売上高は5777億円(16%増)、営業利益は2189億円(28%増)。7〜9月の営業利益は1170億円で、前年同期の875億円より34%多い。会社は決算短信で、データセンターを中心にした「歴史的」ともいえるAI関連投資で半導体市場が大きく伸び、いくつかの製品で供給がひっ迫したため、供給の調整と価格の改定に取り組んだと説明している。為替も追い風で、4〜9月の平均は1ドル159.4円と、前年同期の146.0円より円安だった。

一方、塩化ビニル(塩ビ)とか性ソーダの生活環境基盤材料事業は、上期の営業利益が862億円と16%減った。会社によると、5月後半にアジアなどで在庫の多さと需要の鈍さから塩ビの市況がいったん緩んだが、7月に値上げを通した。その結果、この事業の7〜9月の営業利益は514億円と、4〜6月の348億円から持ち直し、前年同期(495億円)も少し上回った。シリコーンなどの機能材料事業も上期の営業利益が632億円(31%増)と伸びた。

株主への還元も続いている。4月に決めた上限2500億円の自社株買いは、7月に約527億円、8月に約1973億円を取得して終えた。中間配当は普通配当58円に創立100周年の記念配当20円を加えた78円で、年間では136円(前期106円)を予定する。同じシリコンウエハーを手がけるSUMCO(3436)など、AI向けの半導体材料を扱う会社の決算にとっても、信越化学が示した「供給ひっ迫と値上げ」は比べる手がかりになる。

株価への反応はこれからだ。発表前の27日の終値は5850円(前日比67円高、1.16%高、株探・Yahoo!ファイナンス)で、日経平均が1078円高(1.7%高)と大きく上げたなかでは小幅にとどまった。年初来高値7930円(6月1日)からは約26%低い。通期の計画は売上高2兆7000億円、営業利益7000億円、純利益5250億円(前期比10.7%増)のままで、会社は「7月時点の発表内容を維持」とした。

数字で見る

4〜9月 売上高1兆4206億円(前年同期比+10.6%、決算短信)
4〜9月 営業利益3859億円(+15.6%)
7〜9月 営業利益2121億円(+26.9%、4〜6月は1737億円)
電子材料 7〜9月の営業利益1170億円(前年同期875億円、+34%)
塩ビなど 4〜9月の営業利益862億円(−16%)
通期計画(据え置き)営業利益7000億円・純利益5250億円
配当中間78円(記念20円を含む)、年間136円の予定
27日(火)の終値(発表前)5850円、+67円(+1.16%、株探・Yahoo!ファイナンス)
ヨリビケの見方7〜9月の営業利益2121億円のうち、電子材料の1170億円が55%を占める(ヨリビケ計算)。据え置いた通期計画7000億円から上期の3859億円を引くと、下期の営業利益は3141億円で、上期より約19%少なく、7〜9月のペースを2倍した4242億円も下回る計算になる。これは会社の計画をそのまま引き算した数字で、ヨリビケの予想ではない。

次に見るポイント

  • 28日(水)朝:PTS(夜間取引)と東京市場の寄り付きで、決算への最初の反応
  • 29日(木)未明(日本時間):米FOMCの結果。金利と為替は円安の追い風に関わる
  • 30日(金):東京エレクトロンなど半導体関連の決算。AI向けの需要の続き方
  • 11月13日(金):半期報告書の提出予定。11月18日(水)から中間配当78円の支払い

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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