ヨリビケについて 1分動画 YouTube @yoribike 10/30 更新
ヨリビケ- MARKET NEWS -
速報 | 企業・決算

インテル、見通しが予想下回り時間外2割安 インテル向け基板のイビデンはS安

米インテル(INTC)は29日(木)の米国の取引終了後に7〜9月期の決算を発表し、10〜12月期の売上高の見通しを150億〜160億ドルとした。市場予想(約170億ドル)を下回り、株価は時間外取引で一時20%を超えて下げた。30日(金)の東京市場では、インテルを主要な取引先とするイビデン(4062)が値幅制限いっぱいのストップ安(1500円安の8359円)となった。

日向かなえ ・ 特集 10:50 ・ 2026年10月30日
動画:テレ東BIZ「米インテル 株価一時↓20%超 売上高見通し 予想下回る【モーサテ】」 YouTube で見る

インテルが米証券取引委員会(SEC)に出した決算の発表文によると、7〜9月期の売上高は165億ドルで前年同期より21%増えた。データセンター・AI部門は73億ドル(78%増)と伸びた一方、パソコン向けの部門(CCPG)は81億ドル(5%減)だった。調整後の1株利益は0.52ドルで、株探(MINKABU PRESS)がまとめた市場予想の0.41ドルを上回った。問題は先の見通しだ。10〜12月期の売上高は150億〜160億ドル、調整後の1株利益は0.25ドルで、市場予想(株探で170.5億ドル・0.43ドル、TipRanks で170.6億ドル・0.44ドル)にそろって届かなかった。株価は通常の取引を92.07ドル(3.62%安)で終えたあと、時間外ではNY時間16時04分に72.90ドル(20.82%安)、17時15分に75.12ドル(18.41%安)をつけた(株探)。ロイターは一時23%安と伝えており、値は時刻で大きく動いている。

見通しが弱い理由は2つある。1つはパソコンの市場だ。決算説明会の書き起こし(Investing.com)によると、ジンスナー最高財務責任者(CFO)は、2026年の世界のパソコンの出荷台数が約12%減り、2027年も約10%減ると見込み、10〜12月期のパソコン向け部門の売上高は7〜9月期より2割を超えて減るとした。メモリーの不足と値上がりでパソコンの値段が上がり、需要を押さえているという(株探、ロイター)。もう1つはイスラエルの工場(Fab 28)の事故だ。タン最高経営責任者(CEO)は説明会で、事故で工場が長く止まったと説明した。ロイターによると、爆発事故で死者が出た。CFOは、この影響で10〜12月期の売上高が約3億ドル、粗利益率が約2ポイント押し下げられ、来年1〜3月期も売上高に同じくらいの影響が出るとみている。ロイターも2四半期で計約6億ドルの影響と伝えており、数字は合う。

影響は日本にも及んだ。イビデンは、CPUなどの半導体を載せる「ICパッケージ基板」の大手で、インテルは長年の主要な取引先だ。30日(金)は売り注文が集まって9時24分まで値がつかず、8601円で始まったあと、9時31分にストップ安の8359円をつけ、その後もこの値段で売り気配が続いた(株探)。トレーダーズ・ウェブは、インテルの業績が悪くなれば自社にも響くとの懸念から売りが出ていると伝えた。株探によると、10時30分ごろまでの出来高は約830万株、売買代金は約700億円。前日29日(木)の取引時間中に、イビデンは今期の営業利益の予想を1330億円に上げ、CPU向けの基板に約1510億円の設備投資を決めたばかりだった(ヨリビケの29日の記事)。この日の東京市場は半導体・AI関連の主力株が広く売られ、日経平均は10時32分に1795円安(2.78%安)の6万2864円(株探)。キオクシアなども下げている。

読み解きの手がかりは2つある。まず、インテルの見通しの弱さの中心はパソコン向けで、データセンター・AI部門はこの3か月で78%伸びている。インテルは説明会で、サーバー向けCPU「Xeon(ジーオン)」の需要が強く、生産が追いついていないことを最優先の課題に挙げた。次に、基板そのものについての見方が分かれる。市場は基板メーカーのイビデンを売ったが、タンCEOは説明会で、高性能な有機基板が業界全体で足りず、それがインテルの生産を増やす足かせになっていると述べ、CFOは業界の供給不足が2027年を通じて2028年まで続くとみている(Investing.com の書き起こし)。イビデンの有価証券報告書は、インテル向けの売上をパソコン向けとサーバー向けに分けて示していないため、どちらの影響を受けやすいかは開示からは分からない。

この先は、30日(金)15時30分のイビデンの終値と、取引終了後に続く国内の電子部品・半導体の決算(村田製作所、キオクシア、レーザーテック、東京エレクトロンなど、株探の予定表)が注目点になる。インテルについては、イスラエルの工場の生産再開の時期(CFOは29日の説明会で「今週末までに」再開するとした)と、SEC に出す四半期報告書(10-Q)で事故の影響がどう書かれるかが手がかりになる。

数字で見る

インテル 7〜9月期の売上高165億ドル(前年同期比+21%)。データセンター・AI 73億ドル(+78%)、パソコン向け 81億ドル(−5%)(会社発表=SEC 8-K、株探)
インテル 7〜9月期の1株利益(調整後)0.52ドル。市場予想 0.40〜0.41ドル(会社発表、株探・TipRanks)
インテル 10〜12月期の見通し売上高 150億〜160億ドル(予想 約170億ドル)、1株利益(調整後)0.25ドル(予想 0.43〜0.44ドル)(会社発表、株探・TipRanks)
インテル 株価(10/29 NY)通常取引 92.07ドル(−3.62%)→ 時間外 16:04 72.90ドル(−20.82%)、17:15 75.12ドル(−18.41%)(株探、Investing.com)
イスラエル工場(Fab 28)の影響10〜12月期の売上高 約3億ドル・粗利益率 約2ポイント、1〜3月期も売上高に同程度(決算説明会、ロイター)
イビデン 株価(10/30 前場)前日終値 9859円 → 9:24 始値 8601円 → 9:31 ストップ安 8359円(−1500円、−15.21%)、10時30分ごろまでの出来高 約830万株(株探、Yahoo!ファイナンス)
イビデンの主な取引先(売上に占める割合)インテル 30.9%(2024年3月期)→ 20.8%(2025年3月期)→ 18.1%(2026年3月期)、エヌビディア 20.3% → 29.4%(有価証券報告書)
ヨリビケの見方イビデンの有価証券報告書によると、インテル向けの売上は2024年3月期に全体の30.9%だったが、2025年3月期に20.8%、2026年3月期に18.1%(753億円)まで下がり、いまの最大の取引先はエヌビディア(29.4%、1225億円)だ。30日の値下がりで、イビデンの時価総額は約8500億円減った(1500円×発行済み株式数約5億6739万株、ヨリビケ計算)。インテルの10〜12月期の売上高の見通しは、中央値(155億ドル)で市場予想(170.5億ドル、株探)を約9%下回るが、その差15.5億ドルのうち工場事故の分(約3億ドル)は約2割で、残りの多くはパソコン向けの落ち込みにあたる(CFO が示した「2割超の減少」は81億ドルの2割で16億ドル超、ヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10/30(金)15:30 イビデンの終値。ストップ安のまま終えるか、売り気配が解けるか
  • 10/30(金)取引終了後 村田製作所・キオクシア・レーザーテック・東京エレクトロンなどの決算(株探の予定表)。AIサーバー向けとパソコン向けの需要の説明
  • インテルのイスラエル工場(Fab 28)の生産再開(CFO は29日に「今週末までに」と説明)と、SEC に出す四半期報告書(10-Q)での事故の影響の書き方
  • パソコン向けのメモリー不足がいつ和らぐか。インテルは、メモリーの供給と値段が落ち着くまでパソコン市場の本格的な回復は見込まないとしている

関連する動画

動画:Bloomberg Podcasts「Intelが急落、AmazonとRedditも下落 | 株式市場の動き」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

次に読む