日経平均の下げ2.54%はTOPIXの約2倍 値段の高い半導体株の分が大きく、NT倍率は16.15倍から15.95倍に
前引けの下落率は、日経平均が2.54%、TOPIXが1.30%で、日経平均の下げはTOPIXの約1.95倍だった。日経平均は株価の高い銘柄の動きが大きく響く計算の仕方のため、値段の高い半導体・AI関連株の下げがそのまま指数に出た。
30日(金)前引けの日経平均は1639.69円(2.54%)安、TOPIXは52.05ポイント(1.30%)安だった(株探、Yahoo!ファイナンス、時事通信)。下落率で比べると、日経平均の下げはTOPIXの約1.95倍にあたる(ヨリビケ計算)。
差の理由は、2つの指数の計算の仕方にある。日経平均は225銘柄の株価をもとにする指数で、株価の高い銘柄ほど指数への影響が大きい。TOPIXは東証の幅広い銘柄を、市場で取引される株式(浮動株)の時価総額の大きさで重みづけする指数で、銀行や商社、内需の大型株の動きも同じように反映する。きょうは、1株3万円台のアドバンテストのような値段の高い銘柄が大きく下げた一方、空運や小売など内需の銘柄は上げた(株探の業種別ランキング)。
株探の集計では、アドバンテスト(−560.94円)、東京エレクトロン(−251.82円)、ソフトバンクグループ(−238.67円)、イビデン(−202.26円)、TDK(−116.3円)の5銘柄で日経平均を計1369.99円押し下げた。下げ幅の約84%にあたる(ヨリビケ計算)。逆に、ファーストリテイリング(+127.02円)とコナミグループ(+116.47円)は日経平均を押し上げた。
日経平均をTOPIXで割った「NT倍率」で見ると、29日(木)の終値の16.15倍から、30日の前引けでは15.95倍に下がった(株探の値からヨリビケ計算)。NT倍率が下がるのは、日経平均がTOPIXより弱いときだ。29日はアドバンテスト1社で日経平均の上げ幅の9割超を占め(ヨリビケの29日の昼刊の記事)、きょうは同じ仕組みが下げの方向に働いた。
読み解くと、日経平均の大きな下げは、市場全体の弱さというより、AI・半導体の数銘柄に資金が集まり、そこから抜けたことを示している。前場の値上がりと値下がりの銘柄数はほぼ半々(740と774、MINKABU PRESS・ロイター)で、TOPIXの下げも日経平均の約半分にとどまった。午後は、日銀の決定(ETFの売却ペースの見直しを含む)と、取引終了後の東京エレクトロンなどの決算が、2つの指数の差(NT倍率)を広げるか縮めるかの手がかりになる。
数字で見る
| 日経平均(10/30 前引け) | 6万3019.78円(−1639.69円、−2.54%)(株探、Yahoo!ファイナンス) |
|---|---|
| TOPIX(10/30 前引け) | 3951.23(−52.05、−1.30%)(株探、Yahoo!ファイナンス) |
| 下落率の比(ヨリビケ計算) | 2.54% ÷ 1.30% ≒ 1.95倍 |
| NT倍率(ヨリビケ計算) | 10/29 終値 16.15倍 → 10/30 前引け 15.95倍 |
| 上位5銘柄の押し下げ(株探の寄与度) | 計1369.99円(下げ幅の約84%、ヨリビケ計算) |
| 上位5銘柄を除いた分(ヨリビケ計算) | 約270円安(前日終値の約0.4%) |
| 値上がり・値下がり(東証プライム前場) | 740・774(MINKABU PRESS、ロイター) |
次に見るポイント
- 10/30(金)後場と終値:NT倍率(日経平均÷TOPIX)が15.95倍からさらに下がるか、戻るか
- 10/30(金)取引終了後:東京エレクトロン・キオクシアHDの決算(日経平均への影響が大きい銘柄)
- 日銀のETFの売却ペースの見直し(2027年1月から)がTOPIX・日経平均の両方の取引にどう受け止められるか
出典
白石ひかり ・ 昼刊 11:54 ・ 2026年10月30日※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









