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速報 | 米国株

スペースX、全米8万か所の基地局確保へ協議 鉄塔株は12%高、通信3社は売り

米ブルームバーグ通信は22日(米国時間)、スペースXが全米で少なくとも8万か所の携帯基地局を使えるよう、鉄塔を持つ会社と協議していると報じた。23日の米国市場では、鉄塔大手クラウン・キャッスルが取引開始直後に12%高となる一方、AT&T・ベライゾン・Tモバイルの通信3社は3〜5%下げている。

御堂聡一 ・ 特集 22:55 ・ 2026年10月23日
スペースX、全米8万か所の基地局確保へ協議 鉄塔株は12%高、通信3社は売り
画像:ヨリビケ(AI生成)

ブルームバーグの報道を時事通信やダウ・ジョーンズが伝えた。協議の相手には米鉄塔大手のクラウン・キャッスルが含まれ、取引の規模は数十億ドルに達しうるという。まとまれば、スペースXが全米で4番目の携帯会社になる道に近づく。報道は22日の取引終了後に出て、クラウン・キャッスル株は時間外で上昇。23日の取引開始前の時点で、ダウ・ジョーンズによるとAT&Tとベライゾンが4.3%安、Tモバイルが5%安、クラウン・キャッスルが12%高だった。取引が始まってからも流れは続き、日本時間22時45分時点ではクラウン・キャッスルが12%台、アメリカン・タワーが6%台、SBAコミュニケーションズが6%台の上昇となっている。

背景には、スペースXが10月に入って続けている携帯事業への布石がある。10月6日に米連邦通信委員会(FCC)がスマホと直接つながる衛星1万5000機の計画を承認し、8日には全米の800MHz帯の免許を買う契約を発表した(金額は非公表、ロイターやWSJは約80億ドルと報道、FCCの承認が必要)。800MHz帯は電波が建物の中まで届きやすい。ただ、都市の屋内まで安定してつなぐには、衛星だけでなく地上のアンテナが要る。マスク氏はスペースXの決算説明会で「地上のネットワークも作っていく」と話しており、今回の基地局の話はその具体的な一歩と受け止められた。

鉄塔会社にとっては、新しい借り手が現れることを意味する。米国の通信会社は、自分で鉄塔を持つより鉄塔会社から場所を借りる方が安いため、多くの基地局を借りている。クラウン・キャッスルのヒラブラント最高経営責任者(CEO)は21日の決算説明会で、スペースXとの交渉について聞かれ、個別の顧客には触れずに「すべての相手と話していると考えてよい」と答えていた。一方、通信3社には、全国規模の競争相手が増えるおそれとして映る。3社の株は800MHz帯の発表の翌日の10月9日にも大きく下げており(Tモバイル13.27%安など)、今回はその続きの売りとなった。

東京市場では23日、ソフトバンク(9434)が3.73%安の237.4円、NTT(9432)が1.85%安、KDDI(9433)が1.41%安だった。ソフトバンクとNTTは前の日より高く始まったあと下げに転じた。ただ、日本の通信株の下げの理由を今回の報道と結びつけて伝えた記事は確認できておらず、日経平均が続落した日の動きでもある。KDDIはスターリンクと組んで衛星とスマホの直接通信を提供しており、日本ではスターリンクは「競争相手」より「提携相手」の面が強い。

注意したいのは、まだ協議の段階だということだ。契約は結ばれておらず、アメリカン・タワーはコメントを控え、スペースXは取材に応じていない。自前の携帯網を全国に作るには巨額の費用がかかり、バーンスタインは8月に500億〜1300億ドルと試算していた(業界紙ワイヤレス・エスティメーターによる)。800MHz帯の取得へのFCCの判断と、鉄塔会社との正式な契約が出るかどうかが、次の手がかりになる。

数字で見る

報道10月22日(米国時間)、ブルームバーグ「全米で少なくとも8万か所の基地局」
クラウン・キャッスル88.86ドル(+12.25%)※日本時間23日22:45
アメリカン・タワー/SBA+6.52%/+6.05%(同)
AT&T/ベライゾン/Tモバイル−4.66%/−2.98%/−3.89%(同)
スペースX147.56ドル(+1.94%)(同)
10月8日の発表全米の800MHz帯(最大14MHz幅)、約80億ドルと報道
東京 10/23 終値ソフトバンク −3.73%、NTT −1.85%、KDDI −1.41%
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、日本時間23日22時45分ごろの時価総額(Yahoo Finance)で、スペースXは約2.0兆ドル、AT&T・ベライゾン・Tモバイルの3社の合計は約4900億ドルで、スペースX1社で3社合計の約4倍にあたる。バーンスタインの試算の上限1300億ドルでも、スペースXの時価総額の約6.5%にとどまる。お金の大きさだけで見れば、自前の携帯網を作る力は十分にあることになる。焦点は資金の大きさより、正式な契約とFCCの承認という「実際に作り始めるかどうか」の確認に移っている。

次に見るポイント

  • 鉄塔会社との正式な契約が発表されるか(クラウン・キャッスル、アメリカン・タワー、バーティカル・ブリッジ)
  • 800MHz帯の取得に対するFCCの判断
  • 10月28日:FOMCの結果(米国の金利と高配当の通信株・鉄塔株の関係)
  • 10月26日(月):東京市場でソフトバンク・KDDI・NTTの動き

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。