日立とNEC、上方修正でもPTSで約4%安 NECは買収した会社の分を含む
日立製作所(6501)とNEC(6701)は28日(水)15時30分、4〜9月の決算を発表し、そろって今期の予想を引き上げた。それでも夜間のPTS取引では、17時30分時点で日経平均の構成銘柄の値下がり率の1位がNEC(−4.6%)、2位が日立(−4.0%)だった(株探)。28日の東証の終値は発表前の取引で決まったもので、決算を受けた東証の取引は29日(木)から。
神崎玲子 ・ 特集 18:55 ・ 2026年10月28日日立は、今期(2027年3月期)の純利益の予想を9000億円から9200億円に、売上収益を11兆7000億円から12兆円に、営業利益を1兆4080億円から1兆4500億円に引き上げ、中間配当も28円から32円に増やした(決算短信、株探)。会社の資料によると、7〜9月の売上収益は2兆9044億円(前年同期比15%増)、本業のもうけを示す調整後EBITAは3761億円(同518億円増)で、どちらも7〜9月として過去最高。一方、4〜9月の純利益は4166億円で前年同期より11.9%少ない。会社は、前年に空調事業の合弁会社を売った利益(917億円)の反動を含むと説明しており、7〜9月の純利益の減少(534億円)はこの影響を除くと383億円の増加になる。
NECは、今期の売上収益の予想を3兆5400億円から3兆7400億円に、会社が重視するNon-GAAP営業利益を4300億円から4600億円に、Non-GAAP当期利益を2900億円から3100億円に引き上げた。4〜9月のNon-GAAP営業利益は1883億円で、前年同期より608億円多い。ただし会社は、修正の理由を「足元の業績進捗およびCSG連結を考慮」としている。CSGは5月から連結を始めた海外のITサービス会社で、7月の予想にはその分が入っていなかった。あわせて、今期のフリー・キャッシュ・フロー(手元に残るお金)の予想は3000億円のプラスから900億円のマイナスに3900億円下げた。4〜9月の投資キャッシュ・フローは4312億円の支出(前年同期は32億円)だった。年間配当の予想は40円のまま。
PTSでの値下がりの理由について、ヨリビケでは18時台の時点で、報道機関が伝えた説明を確かめられていない。数字の上では、日立は7〜9月の純利益が前年より減って見えること(特殊要因を除けば増益)、IT部門のDSSで国内の一部案件のコスト増など一時的な要因で90億円の減益影響があったこと、NECは予想の上積みに買収した会社の分が含まれ、キャッシュの予想を大きく下げたことが、それぞれの資料に書かれている。28日の東証の終値は、日立が5620円(前日比+0.09%)、NECが5292円(同−1.65%)だった。PTSは東証より取引が少なく、PTSの値段が翌日の東証の値段になるとは限らない。
波及先として見ておきたいのは、日立の伸びの中身だ。電力・送電のエナジー部門は、4〜9月の受注が3兆4725億円と前年同期比66%増え、会社は欧州の大型の直流送電(HVDC)案件、データセンター関連の需要、送電機器の需要を理由に挙げた。日立エナジーの受注残は10.5兆円(前期末比14%増)。また、日立ハイテクなどを含むCI部門の受注は1兆9458億円(同26%増)で、半導体製造装置や計測・検査装置がけん引した。28日にアドバンテストやキオクシアが買われたAI・半導体の流れが、電力設備や検査装置にも及んでいることが、日立の数字からも確かめられる。NECは、航空宇宙・防衛と海洋システムの予想を引き上げた。
この先の注目は、29日(木)の東証での2社の値動きと、同じITサービス大手の富士通(6702)が29日の取引時間中に予定している決算(株探の予定表)。日本時間29日(木)3時には米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策(FOMC)の結果が、30日(金)には日銀の金融政策決定会合の結果が出る。日立は決算説明会で、地政学リスクや金利の上昇が受注や顧客の需要に与える影響を「引き続き注視」するとしている。
数字で見る
| 日立 今期の純利益の予想 | 9000億円 → 9200億円(+2.2%)。前期は8023億円(決算短信、株探、ロイター) |
|---|---|
| 日立 4〜9月の純利益 | 4166億円(前年同期比−11.9%)。前年の空調合弁の売却益917億円の反動を含む(会社資料、株探) |
| 日立 7〜9月の調整後EBITA | 3761億円(前年同期比+518億円)、7〜9月として過去最高(会社資料) |
| 日立 エナジー部門の4〜9月の受注 | 3兆4725億円(前年同期比+66%)、受注残10.5兆円(会社資料) |
| NEC 今期のNon-GAAP営業利益の予想 | 4300億円 → 4600億円(+300億円)。理由は「足元の業績進捗およびCSG連結」(会社資料) |
| NEC 今期のフリー・キャッシュ・フローの予想 | 3000億円 → −900億円(−3900億円)(会社資料) |
| 株価(10/28 東証終値) | 日立 5620円(+0.09%)、NEC 5292円(−1.65%)(株探、Yahoo!ファイナンス) |
| PTS(10/28 夜間) | 17:30 日立 5398円(−4.0%)・NEC 5049.9円(−4.6%)(株探)。18時台 日立 5410〜5420円・NEC 5054円(株探、Yahoo!ファイナンス) |
次に見るポイント
- 10/29(木)9:00:決算を受けた東証での最初の取引。日立とNECがPTSの値下がりどおりになるか
- 10/29(木)取引時間中:富士通(6702)の決算発表予定(株探)
- 10/29(木)3:00ごろ(日本時間):FOMCの結果
- 10/30(金):日銀の金融政策決定会合の結果
- 日立の決算説明会(公式の動画)で、DSSの一時的なコスト増と、エナジーの受注の見通しをどう説明したか
出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。









