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デンソー、上期の純利益9%減でも2000億円の自社株買い 自己株4億株は消却

デンソー(6902)は29日(木)11時10分、4〜9月期の決算を発表した。売上収益は7.0%増の3兆8436億円と伸びたが、営業利益は19.5%減の1701億円、純利益は8.8%減の1198億円。あわせて上限2000億円・1億株の自社株買いと、持っている自己株のうち4億株(発行済みの13.74%)の消却を決めた。株価は発表直後に下げた後に切り返し、前場は1850円(前日比2.27%高)で終えた。

御堂聡一 ・ 特集 11:47 ・ 2026年10月29日
動画:4月:デンソーとアイシンが今期の減益見通しを発表(メ〜テレニュース) YouTube で見る

会社の決算短信によると、4〜9月期の売上収益は3兆8436億円で前年同期より2531億円多い。車の販売の増加と、電動化・安全の製品を付ける車が増えたことが効いた。一方、営業利益は413億円減の1701億円。円安や工場の稼働の高まり、コスト削減で押し上げた分よりも、部材などの値上がり、将来に向けた開発費の積み増し、前の年にあった一時的な利益がなくなったことの方が大きかった。通期の予想(売上収益7兆7500億円、営業利益5000億円、純利益3820億円、配当は年74円)はすべて据え置いた。10〜3月期の為替の前提は1ドル153円、1ユーロ180円としている。

中身を地域ごとに分けると、明暗がはっきりしている。日本は売上収益が9.6%増、営業利益は55.3%増の490億円と大きく伸びた。これに対し北米は営業利益が30.7%減の395億円(前の年に計上した一時的な費用の回収がなくなった)、アジアは28.0%減の691億円(工場の稼働が下がった)、欧州は部材の値上がりと品質の費用で14億円の営業赤字(前年同期は86億円の黒字)に転じた。株探の集計では、純利益の通期予想に対する進み具合は31.4%で、過去5年の平均(41.1%)を下回る。

それでも株主への還元は厚くした。会社の発表によると、自社株買いは10月30日(金)から2027年3月31日(水)まで、東証での市場買付けで行い、上限は1億株(自己株を除く発行済み株式の3.99%)・2000億円。デンソーは今年4月、豊田自動織機が持っていたデンソー株を公開買付けで買い取っており(6月1日に終了、約1億8490万株・約3136億円)、今回はそれとは別枠だと説明している。理由は「自己資本比率が60%を超えないように是正しながら、理論株価と比べて機動的に行う」という方針で、9月末の自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率)は59.3%と、3月末の62.9%から下がった。あわせて、自己株4億株を11月30日(月)に消却する。

市場の受け止めは割れた。株探とYahoo!ファイナンスによると、株価は前日終値1809円に対し、発表直後の11時11分に1767円(約2.3%安)まで下げた後、11時29分に1855円まで上げ、前場は1850円で終えた。MINKABU PRESS(株探に配信)は、減益と自社株買いという強弱の材料が混ざり、発表後に大きく上下したと伝えている。財務の面では、9月末の社債と借入金は合わせて約1兆2000億円で、3月末より約3887億円増えた。会社は財務の方針に「成長投資での借入の活用」と「株主還元の強化」を挙げており、借りたお金も使いながら自己資本を減らし、資本の効率を上げる形になっている。

この先の焦点は、下期の利益の伸びだ。通期の営業利益5000億円を達成するには、10〜3月期に約3299億円が必要で、上期の約1.94倍にあたる(ヨリビケ計算)。部材の値上がりと欧州・アジアの不振が下期にどこまで和らぐか、為替の前提(1ドル153円)との差がどう出るかが、通期予想の見直しの有無を左右する。自社株買いは30日(金)から始まり、半期報告書は11月5日(木)、中間配当(1株37円)の支払い開始は11月26日(木)の予定だ。午後の取引(12時30分から)で株価がどちらに傾くかも、受け止めを測る材料になる。

数字で見る

4〜9月期 売上収益3兆8436億円(前年同期比+7.0%)(決算短信)
4〜9月期 営業利益1701億円(同−19.5%)/純利益1198億円(同−8.8%)(決算短信・株探)
通期予想(据え置き)売上収益7兆7500億円・営業利益5000億円・純利益3820億円・配当年74円(決算短信)
自社株買い上限1億株(3.99%)・2000億円、10/30〜2027/3/31、市場買付け(会社発表・株探)
自己株の消却4億株(消却前の発行済みの13.74%)、11/30予定(会社発表・株探)
自己資本比率59.3%(9月末)←62.9%(3月末)(決算短信)
株価(10/29前場)1850円(前日比+41円、+2.27%)、安値1767円(11:11)・高値1855円(11:29)(Yahoo!ファイナンス・株探)
ヨリビケの見方消却と自社株買いは、1株あたりの数字への効き方が違う。今回消却する4億株は、もともと自己株として発行済みの数から除かれているので、消しても1株あたり利益は変わらない。変わるのは「あとで市場に出し直せる株」がほぼなくなること(9月末の自己株は約4億361万株、決算短信)。一方、新しい自社株買いは市場に出回る株を減らす。上限は2000億円と1億株の2つで、前場の終わりの1850円で計算すると2000億円は約1億811万株分になり、株価が2000円を下回る間は株数の上限(1億株)が先に来る(ヨリビケ計算)。今期は4月の約3136億円と合わせると最大約5136億円の自社株買いになり、純利益の通期予想3820億円の約1.34倍にあたる(ヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10月29日(木)12時30分〜:後場の株価の反応(前場は1850円、+2.27%)
  • 10月30日(金):自社株買いの開始(2027年3月31日(水)まで、上限1億株・2000億円)
  • 11月5日(木):半期報告書の提出予定
  • 11月26日(木):中間配当(1株37円)の支払い開始予定
  • 11月30日(月):自己株4億株の消却予定日

関連する動画

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出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。

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