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速報 | 企業・決算 | 2026年10月30日 14:55

村田製作所、純利益予想を17%上げ最高益へ データセンター向けコンデンサが伸びる

村田製作所(6981)は30日(金)14時に上期(4〜9月)の決算を発表し、今期(2027年3月期)の純利益の予想を3380億円から3960億円に17.2%引き上げた。理由はデータセンター向けの需要がさらに高まったことで、会社は過去最高益の見込みをさらに上乗せした。株価はAI・半導体株が売られる中で午前に一時12.7%安まで下げていたが、発表後に下げ幅を縮める場面があった(14時47分時点は6.92%安)。

動画:村田製作所 公式「MLCC製造工程イメージ」(背景の参考:積層セラミックコンデンサのつくり方) YouTube で見る

会社の決算短信によると、上期の売上収益は1兆907億円(前年同期比20.8%増)、営業利益は2459億円(48.9%増)、純利益は1861億円(40.6%増)だった。7〜9月期だけで見ると、売上収益5885億円(20.9%増)、営業利益1474億円(42.4%増)で、売上に対する営業利益の割合は前年同期の21.3%から25.1%に上がった。主力の積層セラミックコンデンサ(MLCC)を含むコンデンサの上期の売上は6055億円(33.1%増)で、売上全体の55.5%を占める。会社は「データセンター、代理店、モビリティ向けを中心に幅広い用途で増加した」と説明している。

通期の予想は、売上収益を2兆1100億円から2兆2600億円(前期比23.4%増)に、営業利益を4300億円から5200億円(84.5%増)に、純利益を3380億円から3960億円(69.3%増)に上げた(いずれも7月31日の予想からの修正)。修正の理由として、会社は「データセンター関連需要のさらなる高まり」と、生産が増えたことによる操業度の改善や、利益率の高い製品の割合が増えたことを挙げている。10月以降の為替の前提は1ドル155円のまま変えていない(上期の実績の平均は159円37銭)。年間配当の予想は70円のまま据え置いた。設備投資の計画は2550億円から2700億円に増やした。

株価は、発表の前と後で動きが分かれた。前日の終値6890円に対し、30日は6490円で寄り付き、11時10分に6013円(12.7%安)まで下げた(株探)。この日はアルファベットの決算をきっかけにAIへの巨額投資を警戒する売りが東京にも広がり、アドバンテストや東京エレクトロンとともに村田製作所も前場の値下がり銘柄に並んでいた(フィスコ。日経平均の下げについては朝の速報記事を参照)。14時の発表後は14時10分に6669円まで戻したが、14時47分時点は6413円(477円安、6.92%安)だった(Yahoo!ファイナンスのリアルタイム株価)。前場の値下がりは決算の前に起きたもので、上方修正を受けて売られたわけではない。

波及先として見ておきたいのは、同じくコンデンサや電子部品をつくる太陽誘電・TDK・京セラだ。この3社も30日の前場は値下がり銘柄に入っていた(フィスコ)。村田製作所の資料を見ると、データセンターの恩恵はコンデンサだけではない。会社は、データセンター向けのリチウムイオン電池や電源モジュールも増えたと説明し、エナジー・パワー部門の7〜9月期の受注高は前年同期の1.9倍になった。一方で、スマートフォン向けの高周波モジュールや樹脂多層基板は減り、高周波・通信部門の上期の売上は2.1%減った。用途別(会社の推計)では、7〜9月期のコンピュータ向けが1322億円と74.3%増え、売上に占める割合は15.6%から22.5%に上がった。稼ぎ頭がスマホからデータセンターに移りつつある。

読み解きのポイントは2つある。1つ目は、受注の強さだ。上期の受注高は1兆4272億円(55.5%増)で、売上(1兆907億円)の1.31倍あった。9月末の受注残高は7826億円と、3月末の4461億円から75.4%増え、上期の月平均の売上で割ると約4.3か月分になる(3月末は約2.9か月分、ヨリビケ計算。受注の金額は販売価格での表示)。2つ目は、下期の前提だ。通期予想から上期の実績を引くと、下期(10〜3月)の営業利益は2740億円で、前年の下期(1166億円)の2.35倍、上期より11.5%多い計算になる。この先は、30日(金)15時30分の終値と夜間取引(PTS)での反応、同じ30日の取引終了後に続く東京エレクトロンやキオクシアなどAI・半導体関連の決算が注目点になる。

数字で見る

今期の純利益の予想(2027年3月期)3380億円 → 3960億円(+17.2%、前期比+69.3%)、1株当たり利益 218.80円(会社発表 10/30)
今期の売上収益・営業利益の予想売上収益 2兆1100億円 → 2兆2600億円(+7.1%)、営業利益 4300億円 → 5200億円(+20.9%、前期比+84.5%)(会社発表 10/30)
上期(4〜9月)の実績売上収益 1兆907億円(+20.8%)、営業利益 2459億円(+48.9%)、純利益 1861億円(+40.6%)(決算短信)
7〜9月期の実績売上収益 5885億円(+20.9%)、営業利益 1474億円(+42.4%)、営業利益率 21.3% → 25.1%(決算短信)
受注(上期)・受注残高(9月末)受注高 1兆4272億円(+55.5%、うちコンデンサ 8634億円・+85.4%)、受注残高 7826億円(3月末比 +75.4%)(決算短信、販売価格で表示)
為替の前提・配当・設備投資下期の前提 1ドル155円(変更なし、上期実績 159.37円)、年間配当 70円(据え置き)、設備投資 2550億円 → 2700億円(決算短信)
株価(10/30)前日終値 6890円 → 始値 6490円 → 安値 6013円(11:10、−12.7%)→ 高値 6669円(14:10)→ 6413円(14:47時点、−477円・−6.92%)(株探、Yahoo!ファイナンス)
ヨリビケの見方通期の予想から上期の実績を引くと、下期の営業利益は2740億円(5200億円−2459億円)で、前年の下期の1166億円(10〜12月期378億円+1〜3月期788億円)の2.35倍、上期の2459億円より11.5%多い。下期の売上収益は1兆1692億円で上期より7.2%多く、下期の営業利益率は23.4%と、7〜9月期の25.1%より低い前提になっている。為替の前提1ドル155円は、上期の平均159.37円より円高の水準だ。受注残高7826億円は、上期の月平均の売上(約1817億円)の約4.3か月分で、3月末の約2.9か月分(前期の月平均の売上 約1525億円で計算)から積み上がった(いずれも決算短信の数字からヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10/30(金)15:30 村田製作所の終値と、夜間取引(PTS)での反応
  • 10/30(金)取引終了後 東京エレクトロン・キオクシアなど AI・半導体関連の決算。データセンター向けの需要についての説明
  • 11/10(火) 村田製作所の半期報告書の提出予定日(決算短信)
  • 11/30(月) 中間配当 35円の支払い開始予定日(決算短信)
  • 次の決算(10〜12月期) 受注残高と、下期の営業利益率の前提(約23.4%、ヨリビケ計算)に対する実績

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動画:村田製作所 公式「ムラタの小型・大容量セラミックコンデンサ」(背景の参考) YouTube で見る
動画:テレ東BIZ「村田製作所 中国勢にコストで勝負 利益よりシェアで『ナンバーワン強固に』」(NIKKEI NEWS NEXT、過去の放送・背景の参考) YouTube で見る

出典

神崎玲子 ・ 特集 14:55 ・ 2026年10月30日

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