テスラ営業益56%減、研究開発費69%増が重荷 決算前の株価は3.4%高
テスラが21日(米国時間)に出した7〜9月期決算は、売上高が280億4600万ドルと前年並みだった一方、営業利益は56%減の7億1800万ドルだった。AIや人型ロボットに向けた研究開発費が69%増えた。売上高は市場予想をわずかに下回ったが、調整後の1株利益は予想を上回った。株価は発表前の通常取引で3.41%高の386.47ドルで終え、発表後の時間外取引でも上げた。
日向かなえ ・ 朝刊 05:28 ・ 2026年10月22日
テスラが SEC に出した 8-K の決算資料(Q3 2026 Update)によると、売上高は前年同期(280億9500万ドル)とほぼ同じ280億4600万ドル。内訳は自動車が205億6000万ドル(3%減)、蓄電池などのエネルギーが28億8100万ドル(16%減)、充電やソフトなどのサービス・その他が46億500万ドル(33%増)だった。粗利益は9%増の54億9400万ドルで、粗利益率は19.6%(前年18.0%)に上がった。一方で営業費用は39%増の47億7600万ドルとなり、営業利益は7億1800万ドル、営業利益率は2.6%(前年5.8%)に下がった。純利益は43%減の7億8700万ドル、1株利益は0.22ドル(前年0.39ドル)。
費用を押し上げたのは研究開発費だ。27億6100万ドルと前年の16億3000万ドルから69%増えた。Electrekによると、テスラが「SI(スーパーインテリジェンス)」と呼ぶAI、人型ロボット「オプティマス」、無人タクシー専用車「サイバーキャブ」への投資が中心だ。会社が独自に出す調整後の1株利益は0.48ドル(前年0.50ドル)で、市場予想(みんかぶ 0.44ドル、Electrek 約0.45ドル)を上回った。一方、売上高は市場予想(みんかぶ 281億3000万ドル、Electrek 約280億6000万ドル)をわずかに下回った。設備投資は47億3200万ドルと前年の2.1倍で、営業キャッシュフロー62億6300万ドルから差し引いたフリーキャッシュフローは15億3100万ドル(62%減)。現金と短期投資は454億4700万ドルあった。Electrekと株探(みんかぶ)によると、会社は年間の設備投資を250億ドル超とする目標を示しており、みんかぶによると市場はこの期のフリーキャッシュフローを赤字と予想していた。
事業の動きも資料に並ぶ。納車は48万6532台(2%減)、生産は46万4391台。北米では新車の75%超が運転支援「FSD(監視付き)」を付け、有効な契約は174万件(67%増)。9月3日にはテキサス州オースティンで、サイバーキャブを使った無人タクシーの運行を始めた。カナダ・オーストラリア・日本・台湾では四半期として最多の納車だった。一方、電池の確保が引き続き車の増産のペースを縛っているとも書いている。
波及は車の外にも広がる。資料は、蓄電池「メガパック」が大型のデータセンターに電気を送る用途に使われ、受注の勢いと受注残が過去最高だとした。テキサスの新工場(年50GWhの計画)が生産を始め、蓄電池の導入量は13.7GWh(10%増)。また、オースティンで自前の半導体工場「Austin Fab」の建設を続け、2027年に製造装置の立ち上げを始める計画だという。テスラはスペースXの株も持っており(2026年1〜3月期に20億200万ドルで取得)、7〜9月期はその評価損1億4200万ドルを計上した。
この先の焦点は、スペースXとの統合だ。決算資料には統合についての記述はなく、株探(みんかぶ)も決算発表で新しい情報は示されなかったと伝えた。20日のスペースXの決算説明会で、両社のCEOを兼ねるイーロン・マスク氏が、両社の取締役会がそれぞれ独立した取締役による特別委員会を設けたと明らかにした(Electrek)。株探(フィスコ)によると、マスク氏が取締役会の合意が必要としながらも統合を支持する姿勢を示し、21日はスペースXとテスラの株がそろって上げた。条件や時期は決まっていない。Electrekによると、テスラ側では発行済み株式の過半数の賛成が要る。テスラの決算説明会は日本時間22日6:30(米東部時間21日17:30)から開かれる。
数字で見る
| 売上高(7〜9月期) | 280億4600万ドル(前年比 −0.2%、テスラ決算資料・Electrek)/市場予想 281億3000万ドル(みんかぶ) |
|---|---|
| 営業利益/営業利益率 | 7億1800万ドル(−56%)/2.6%(前年 5.8%) |
| 研究開発費 | 27億6100万ドル(前年 16億3000万ドル、+69%) |
| 1株利益 | 0.22ドル(前年 0.39ドル)/調整後 0.48ドル(市場予想 0.44ドル=みんかぶ、約0.45ドル=Electrek) |
| 設備投資/フリーキャッシュフロー | 47億3200万ドル(前年の2.1倍)/15億3100万ドル(−62%) |
| 納車台数/蓄電池の導入量 | 48万6532台(−2%)/13.7GWh(+10%) |
| 株価(10/21) | 終値 386.47ドル(+3.41%、Nasdaq・株探)/時間外 390.39ドル(+1.01%、日本時間5:43、株探) |
次に見るポイント
- 22日(木)6:30(日本時間)の決算説明会:研究開発費と設備投資の今後、スペースXとの統合についての説明
- スペースXとの統合をめぐる、両社の特別委員会の正式な発表(条件・日程)
- 22日(木)米国の通常取引(日本時間22:30〜)で、決算を受けたテスラ株の動き
出典
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



