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IBM決算の翌日、野村総研・富士通・NECが逆行高 日経平均1400円超安の中

米IBMが21日(米国時間)に発表した7〜9月期決算は、売上高・1株利益とも市場予想を上回った。22日の東京市場では日経平均が一時1500円超安と大きく下げる中、野村総合研究所・富士通・NECなど情報サービス株がそろって3%前後上げている(14時29分時点)。IBM自身の株価は、発表後の時間外取引で上げたあとに下げており、東京の反応とは方向が違う。

御堂聡一 ・ 特集 14:49 ・ 2026年10月22日
動画:Bloomberg Television「AI Is Tailwind, IBM CEO Says as Sales Rise」(IBMのクリシュナCEO) YouTube で見る

IBMの7〜9月期の売上高は171億ドルで前年同期比5%増(為替の影響を除くと6%増)、本業ベースの1株利益(非GAAP)は2.95ドルで12%増だった(IBM発表)。市場予想は売上高168億2000万〜168億4000万ドル、1株利益2.86ドル前後とされ(FX Leaders、Investing.com)、いずれも上回った。部門別では、ソフトウエアが78億ドルで8%増、うちRed Hatなどのハイブリッドクラウドが11%増、コンサルティングは53億ドルで横ばい(為替の影響を除くと2%増)、メインフレームなどのインフラが37億ドルで4%増だった。通期の売上高の見通し(為替の影響を除いて4〜5%増)は据え置き、フリーキャッシュフローは「前年から10億ドル超の増加」を見込むとした(IBM発表)。

背景には、前の4〜6月期のつまずきがある。IBMは7月の決算で、大型のソフトウエア契約が期末に間に合わず次の期にずれ込んだと説明していた。今回の決算説明会でカバノー最高財務責任者(CFO)は、ずれ込んだ大型契約のおよそ3分の2を7〜9月期に取り戻したと説明し、通期のソフトウエアの伸びは約7〜8%、基本線は約7%との見方を示した(Motley Fool、Investing.com の説明会の記録)。一方で、UBSのアナリストは取り戻したのは半分に満たないと分析していると FX Leaders は伝えており、評価は分かれている。コンサルティングでは、生成AIが売上高の約30%、受注残の約35%を占めるという(説明会)。

IBM株は、決算発表前の21日の通常取引で3.94%高の251.46ドルで終えた。発表直後の時間外取引では一時270ドル前後まで上げたが(FX Leaders、Yahoo Finance の値)、その後は下げに転じ、時間外取引の終わり(日本時間22日9時ごろ)には239.80ドルと、通常取引の終値より約4.6%安かった(Yahoo Finance の値)。前日の終値(241.92ドル)も少し下回っている。

それでも東京では、システム開発・ITサービスの銘柄が買われた。14時29分時点で野村総研は前日比234円高の6225円(3.91%高)、富士通は122円高の4556円(2.75%高)、NECは157円高の5541円(2.92%高)、オービックは162円高の5936円(2.81%高)だった(株探、Yahoo Finance の値)。フィスコは、上昇率の上位がほぼ情報サービス関連で占められ、IBMの好決算も刺激になったと伝えている。同じ時刻の日経平均は1479円安(2.29%安)で、東京エレクトロンなど半導体・AI関連株の売りと中東情勢の緊張が重荷になっている。セキュリティ関連の中小型株の上げは、PHPの重大な弱点への対応という別の材料によるものだ(ヨリビケの22日の特集を参照)。ソフトウエアの試験を請け負うSHIFTも9.61%高の1158円と大きく上げたが、こちらはSBI証券が目標株価を2400円から2700円に引き上げたことが材料とされる(MINKABU PRESS、フィスコ)。

この先は、国内の情報サービス各社の決算が続く。株探の予定では、オービックが27日、NECが28日、野村総研と富士通が29日に4〜9月期決算を発表する。IBMで見えた「生成AIがコンサルの受注残の3分の1を占める」動きが、日本のシステム開発会社の受注や利益率にも表れているか、そして延期されていた企業のIT投資が戻っているかが確かめどころになる。

数字で見る

IBM 7〜9月期 売上高171億ドル(前年同期比 +5%、為替除く +6%)(IBM発表)
IBM 1株利益(非GAAP)2.95ドル(市場予想 2.86ドル前後)(IBM発表、Investing.com)
IBM ソフトウエア部門78億ドル(+8%、為替除く +9%)(IBM発表)
IBM株(21日 通常取引→時間外の終わり)251.46ドル(+3.94%)→ 239.80ドル(日本時間22日9時ごろ)(Yahoo Finance、Investing.com)
野村総研(22日14時29分)6225円(+234円、+3.91%)(株探、Yahoo Finance)
富士通/NEC(同)4556円(+2.75%)/5541円(+2.92%)(株探、Yahoo Finance)
日経平均(同)6万3141円91銭(−1479円33銭、−2.29%)(株探、Yahoo Finance)
ヨリビケの見方14時29分時点で、野村総研・富士通・NECの3社の値上がりを足すと、時価総額(発行済株式数×値上がり幅の単純計算、株探の値)は合わせて約5578億円増えた計算になる(富士通 約2123億円、NEC 約2142億円、野村総研 約1313億円)。同じ時刻に日経平均は2.29%安で、3社は2.75〜3.91%高と、指数と5〜6ポイント逆に動いている。もとになったIBM株そのものは、時間外の終わりで前日終値比0.88%安と、決算前の上げを失っていた(ヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10月22日(木)15時30分:大引け。情報サービス株が日経平均の大幅安の中で上げを保てたか
  • 10月22日(木)夜(米国時間22日の取引):IBM株が通常取引でどう評価されるか
  • 10月27日(火):オービックの4〜9月期決算(株探の予定)
  • 10月28日(水):NECの4〜9月期決算(同)
  • 10月29日(木):野村総研・富士通の4〜9月期決算(同)。受注の伸びと生成AI関連の案件

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。