週明けの日本株、先物は夜間取引で1890円安の6万3630円 AI企業の借金への不安でコアウィーブ株は週間25%安 19日に見るポイント
16日の日経平均は7営業日ぶりに反発したが、その夜の米国市場でAI関連株が再び売られ、大阪取引所の夜間取引で日経平均先物は1890円安で引けた。震源は、借金でデータセンターを広げてきたAIクラウド企業コアウィーブの社債と株の下落だ。週明け19日に何を見ればいいかを整理する。
神崎玲子 ・ 特集 23:12 ・ 2026年10月18日日経平均は16日、前日比898円34銭(1.39%)高の6万5324円29銭で終え、7営業日ぶりに反発した。それでも1週間では3706円63銭(5.4%)安で、10月6日の最高値7万683円98銭からは7.6%低い。16日の夜に状況が変わった。ニューヨーク市場でナスダック総合指数が2.14%安、S&P500が1.09%安となり(フィスコ)、1週間ではナスダックが4.5%安と6月以来の大きな下げになった。フィラデルフィア半導体株指数は8日続落で、2008年以来の長さだ(Investing.com)。日経によると、大阪取引所の夜間取引で日経平均先物12月物は、16日の清算値から1890円安い6万3630円で引けた。シカゴの先物も1865円安の6万3925円だった。
売りの中心にあるのが、AI向けのクラウド企業コアウィーブだ。同社は借金でデータセンターを建て、エヌビディアのGPUを貸し出す。14日に株価が約16%下げ、2031年と2032年に満期を迎える社債の利回りが15%近くまで上がった(investingLive、CNBC)。S&Pグローバルの格付けはB+で投資適格ではない。16日も11.91%安の61.39ドルで終え、ロイターによると1週間で約25%安と、11か月あまりで最悪の週になった。ロイターによると負債は約500億ドルで、ブルームバーグによると、5年の債務の保証料(CDS)は取引中に1194.5ベーシスポイントと過去最高をつけた。イントレーターCEOは社内向けの文書で市場の反応を「不合理」と呼び、受注残が負債をすべて上回ると説明した(CNBC)。ロイターによると、エヌビディアのフアンCEOも木曜、ストックホルムの講演でコアウィーブの財務は日々良くなっていると擁護した。
引き金は金利だ。9月の米消費者物価指数は前年同月比3.7%上昇と予想を上回り、FRBは9月16日に3年ぶりの利上げで政策金利を3.75〜4.00%にしていた。米10年債利回りは16日に5.09%(米財務省)。金利が上がるほど、借金で投資してきた企業の利払いは重くなる。アルファベット、アマゾン、メタ、オラクルの4社は今年、13日までに2280億ドルを超える社債を出しており、2025年1年分の2倍以上だ(LSEG、investingLiveによる)。JPモルガンは大手の設備投資を今年約8000億ドル、2027年には年1兆ドル超と見積もる。売りは同業に広がり、ネビウスは14日に約10%、オラクルは約9%下げ、16日にはデータセンター運営のアプライド・デジタルとIRENも取引中に一時9%前後下げた(ロイター)。
日本への波及は、半導体と、その先の資金の流れだ。16日の東証では、前日に売られた電気機器(2.07%高)と機械(2.44%高)が戻し、金利上昇で利ざやが意識される保険業(2.36%高)と銀行業(1.78%高)も上がった(フィスコ 15時45分)。だがその夜、米国に上場するアドバンテストのADRは209.00ドルと17.60ドル下げた(フィスコ)。米国では半導体が売られる一方で不動産とエネルギーが上がっており、AI投資の「借金」に目が向くと、お金はデータセンターの周辺(電力・電線・冷却)より、金利と原油に動く業種へ回りやすい。これが日本の電力・電線株やデータセンター向け不動産にどう出るかは、19日の寄り付きで確かめたい。
19日に見るポイントは三つある。第一に、8時45分に始まる大阪の先物が夜間の引け(6万3630円)からどちらへ動くか、9時の現物の寄り付きで16日の終値(6万5324円)との差がどこまで埋まるか。大阪取引所の先物には上下8%の制限値幅があり、上限または下限に注文が届くとサーキットブレーカーで10分以上取引が止まり、値幅は12%、16%へ広がる(日本取引所グループ)。第二に、19日に出る中国の7〜9月期GDP。第三に、週の後半の決算だ。21日(日本時間22日朝)にテスラ・メタ・IBM・テキサス・インスツルメンツ、22日にディスコ、23日にファナックが出る。23日には9月の全国消費者物価指数と米PMIもある。10月19日は1987年のブラックマンデーと同じ月曜日にあたり、日経の滝田洋一客員編集委員のコラムやYahoo!ニュースの飯塚真紀子氏の記事が当時との比較を取り上げている。1987年10月19日にダウは22.6%下げたが、その後に導入された取引停止の仕組み(NYSEではS&P500が7%、13%、20%下げると停止)は当時にはなかった(米連邦準備制度の歴史資料)。似ている点があることと、同じことが起きることは別で、見るべきは上の三つの事実だ。
数字で見る
| 日経平均 10/16 | 6万5324円29銭(+898円34銭、+1.39%)、週間 −3706円63銭(−5.4%) |
|---|---|
| 日経平均先物 夜間取引(大取、12月物) | 6万3630円(清算値比 −1890円、17日早朝に終了。日経) |
| 米国株 10/16 | ナスダック −2.14%、S&P500 −1.09%、ダウ −0.34%(フィスコ) |
| コアウィーブ | 10/16 −11.91%(61.39ドル)、週間 約−25%、社債利回り 約15%、格付け B+ |
| 米10年債利回り 10/16 | 5.09%(米財務省)、FRBは9/16に利上げ(3.75〜4.00%) |
| 大手4社の社債発行(今年、10/13まで) | 2280億ドル超(LSEG) |
| 大阪取引所の先物の制限値幅 | 通常 ±8% → 拡大 ±12% → ±16%、サーキットブレーカーは10分以上 |
次に見るポイント
- 19日(月)8:45 大阪の日経平均先物の寄り付き:夜間の引け6万3630円との差。9:00 現物の寄り付き
- 19日(月)中国の7〜9月期GDP
- 21日(水)米国時間 テスラ・メタ・IBM・テキサス・インスツルメンツの決算(日本時間22日朝)
- 22日(木)ディスコ、23日(金)ファナックの決算、9月の全国消費者物価指数、米PMI
- 11月のコアウィーブ決算:受注残と負債の数字
関連する動画
出典
- 日本取引所グループ 制限値幅・サーキットブレーカー
- 米財務省 Daily Treasury Par Yield Curve Rates
- FRB FOMC 日程
- 日経「日経平均先物、大取の夜間取引で下落 1890円安」
- 日経「シカゴ日本株先物概況・16日」
- フィスコ(Investing.com)米国株式市場は反落、AI債務不安が再燃
- investingLive コアウィーブの社債
- ロイター(Investing.com配信)コアウィーブ 週間の下落
- Motley Fool「Why Is CoreWeave Stock Falling Today?」
- 財経新聞・フィスコ 来週の相場で注目すべき3つのポイント
- 米連邦準備制度 歴史資料 1987年の株価急落
- Yahoo!ニュース 飯塚真紀子氏(1987年との比較)
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



