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速報 | 為替・金利

9月の物価2.1%、9カ月ぶり2%超 それでも銀行株は5%安

総務省が23日に発表した9月の全国消費者物価指数(生鮮食品を除く総合)は前の年より2.1%上がり、日銀が目標とする2%を9カ月ぶりに上回った。ところが同じ朝、東証の業種別では銀行がいちばん下げ、三菱UFJ・三井住友・みずほは5%前後安い。日銀が29〜30日の会合で利上げを見送るとの報道と、長期金利の低下が重なっている。

日向かなえ ・ 特集 10:52 ・ 2026年10月23日
動画:日本経済新聞「日銀10月会合、連続利上げ見送りへ 2%物価目標に事実上到達」 YouTube で見る

総務省によると、9月の生鮮食品を除く総合指数は102.3(2025年=100)で、上昇率は8月の1.7%から2.1%に0.4ポイント拡大した。日経によるとQUICKがまとめた市場予想の中央値も2.1%で、予想どおりだった。食料とエネルギーを除いた指数は2.4%上昇と、8月の1.9%から0.5ポイント伸びが大きくなった。生鮮食品を除く食料は2.9%上昇し、品目では緑茶が33.8%、トイレットペーパーが17.8%、携帯電話機が10.9%、自動車保険料が5.9%上がった。

物価を抑えている政策の効果も大きい。総務省の試算では、ガソリンの暫定税率の廃止と電気・ガス代などへの補助は、総合の上昇率を0.82ポイント押し下げた(うちガソリン0.48ポイント、電気代0.24ポイント)。エネルギーは前の年より0.6%安い。私立高校の授業料も無償化の影響で73.2%下がっている。こうした押し下げがあっても2%を超えたことになる。

それでも市場の反応は「利上げが近い」ではなかった。日経は22日、日銀が29〜30日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%に据え置く見通しだと報じた。9月に利上げしたばかりで、その影響を見極めるためとしている。一方で、基調的な物価上昇率は2%に事実上到達したとの認識を示す公算が大きいとも伝えた。23日の国内債券市場では米国のAI関連株安を受けて国債が買われ、新発10年債の利回りは10時に2.780%まで下がった(日経)。株探によると一時2.8%を下回るのは約2カ月半ぶりだ。為替は中東情勢とAI投資への不安から円が買われ、一時1ドル=156円08銭と円高が進んだ(フィスコ)。

株式市場では、金利の低下で損をする業種と得をする業種がはっきり分かれた。10時30分時点の東証の業種別指数(33業種)では銀行業が5.22%安と下落率の1位で、三菱UFJが4.89%安、三井住友FGが4.86%安、みずほFGが5.72%安。銀行は貸出と預金の金利の差で稼ぐため、利上げが遠のくと利益が増える時期も先に延びる。反対に、借入金の多い不動産は買われ、三井不動産が1.49%高、三菱地所が1.75%高。ウエルスアドバイザーと株探(みんかぶ)はいずれも、長期金利の低下と10月の利上げ見送りの見方を追い風に挙げる。円高で仕入れの負担が軽くなるニトリHDも1.63%高、神戸物産も1.21%高と、株探(みんかぶ)は輸入コストの低下への期待を理由に挙げている。

この先の焦点は30日だ。日銀は会合の結果と同時に「展望レポート」(経済・物価の見通し)を公表し、植田総裁が会見する。「基調物価は2%」と書くか、次の利上げの時期にどこまで触れるかで、長期金利と銀行株・不動産株の動きが変わりやすい。物価の側では、10月分の東京都区部の消費者物価が先に出て、全国の10月分は11月に出る。原油高でエネルギーが上がるのか、政策による押し下げがどこまで続くのかも見る点になる。

数字で見る

9月 全国CPI(生鮮食品を除く総合、総務省 10/23)+2.1%(8月 +1.7%)。2%超は9カ月ぶり。市場予想 2.1%(QUICK、日経)
9月 生鮮食品・エネルギーを除く総合/総合+2.4%(8月 +1.9%)/+2.1%(8月 +1.9%)
政策による押し下げ(総務省の試算)総合の上昇率を −0.82ポイント(ガソリン −0.48、電気代 −0.24)
日銀の政策金利・次の会合1.25%(9/18 に引き上げ)。10/29〜30 会合、30日に展望レポート。日経は据え置きの見通しと報道(10/22)
新発10年債利回り10/23 10:00 2.780%(日経)。一時2.8%割れは約2カ月半ぶり(株探)
銀行業(東証33業種、10/23 10:30 株探)−5.22%(下落率1位)。三菱UFJ −4.89%、三井住友FG −4.86%、みずほFG −5.72%
上がった業種・銘柄(10/23 10:30 株探)三井不動産 +1.49%、三菱地所 +1.75%、ニトリHD +1.63%、神戸物産 +1.21%。円は一時 156円08銭(フィスコ)
ヨリビケの見方ヨリビケの計算では、政策による押し下げ0.82ポイントを機械的に足し戻すと、9月の総合の上昇率は約2.9%になる(2.1+0.82、総務省の試算値から)。政策金利1.25%から9月の上昇率2.1%を引いた「物価を差し引いた金利」は約マイナス0.85%で、まだ物価の伸びの方が高い。食料とエネルギーを除く2.4%は、3月(2.4%)以来の高さだ。

次に見るポイント

  • 10/29〜30 日銀の金融政策決定会合:30日の展望レポートで基調物価を「2%」と書くか、植田総裁が次の利上げの時期にどう触れるか
  • 10月下旬 10月の東京都区部の消費者物価(総務省):9月は+2.7%と全国より高かった。全国の先行きの手がかり
  • 長期金利:2.8%を下回ったまま落ち着くか(日本相互証券の終値で確認)。銀行株・不動産株の動きと合わせて見る
  • 原油と政策の補助:北海ブレントは22日に112ドル台。エネルギーの押し下げ(−0.82ポイント)がどこまで続くか

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出典

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