ソフトバンクG、一時6.5%安 AI投資懸念に警備大手の買収報道も
ソフトバンクグループ(9984)の株価は19日、前週末比322円(6.51%)安の4,622円まで下げ、日経によると7月30日以来およそ2か月半ぶりの安値をつけた。午後は下げ幅を縮め、14時45分時点では4,805円(2.81%安)。背景は、先週末の米ナスダックの2%超の下げに続くAI関連企業の資金調達への不安と、ブルームバーグが16日に報じた米警備最大手アライド・ユニバーサルの買収検討である。
日向かなえ ・ 特集 14:50 ・ 2026年10月19日19日の東京市場でソフトバンクグループは寄り付きから売りが先行し、9時38分に4,622円の安値をつけた(Yahoo!ファイナンス)。前引けは243円安の4,701円。財経新聞によると、前引け時点の日経平均の押し下げ寄与はアドバンテストの209円に続く約197円で、2銘柄だけで約405円分を押し下げた。午後は切り返し、松井証券の株価ページで14時30分時点4,797円(2.97%安)、Yahoo!ファイナンスで14時45分時点4,805円(2.81%安)。年初来高値は6月2日の9,074円、年初来安値は3月23日の3,365円である。
背景の1つは、先週からの「AIの資金調達」への不安だ。米国では16日、AIクラウドのコアウィーブの社債価格の急落をきっかけに、ナスダック総合が2.1%安と週間で4.5%下げた(Yahoo!ファイナンス、サクソ)。ソフトバンクグループはOpenAIの大口の出資者で、ロイターによると10月2日に100億ドルの追加出資を完了し、累計の出資は646億ドル、持ち分は約13%に達した。資金の一部は9月24日に発行した111億ドルのドル建て・ユーロ建て社債で、ロイターによればハイイールド債として過去最大の発行で、ドル建ての利率は8.625〜9.75%。8月にはOpenAI株を担保に100億ドルの借り入れも組んだ(ロイター)。AIの収益性や借り入れへの不安が強まる局面で、同社の株価が真っ先に売られやすい構造になっている。
もう1つは買収の報道である。ブルームバーグは16日、ソフトバンクグループが米警備最大手アライド・ユニバーサルの買収を検討していると報じた。株式価値で最大180億ドル、約120億ドルの公開債務を含めると総額は300億ドル近くになるという。日経は「最大4.7兆円」と伝えており、1ドル158円で換算すればおおむね一致する。ロイターによると協議は初期段階で、価格も最終決定もなく、ソフトバンクグループはコメントを控えた。狙いは孫正義氏が進めるAIロボットで、警備業務の一部をロボットに置き換えることと、アライドが手がけるデータセンターの警備・運営の事業だとされる。同社は昨年、スイスABBのロボット事業を54億ドルで買収することで合意しており、その延長線にある。ウエルスアドバイザーは19日、この報道で売りが先行したと伝えた。
波及は、まず日経平均そのものに出た。ソフトバンクグループは日経平均の構成比が大きく、同社の下げが指数を押し下げた(財経新聞)。半導体のアドバンテストや東京エレクトロンとともに「AI関連株」として一括りに売られる一方で、19日の東京市場では内需株に資金が向かい、日経の14時14分の報道ではTOPIXが一時上昇に転じた。前引け時点ではKDDIやベイカレント、テルモ、伊藤忠商事などが上昇している(財経新聞)。
この先の注目は、まずアライドの協議が進むかどうかで、ブルームバーグとロイターの報道ではまだ初期段階にある。21日(日本時間22日朝)にはテスラとメタの決算があり、AI投資への見方が変わるかが市場の関心になる。ソフトバンクグループ自身の2027年3月期第2四半期の決算は11月10日(会社のIRカレンダー)。4〜6月期はロイターによると純利益3,473億円(前年同期比18%減)で、インテル株の評価益1兆3,300億円が支え、OpenAIの評価益は計上していなかった。11月の決算では、OpenAIの評価と資金調達の状況、純資産に対する負債の比率(LTV)の説明が焦点になる。
数字で見る
| 株価(10/19 14:45時点、Yahoo!ファイナンス) | 4,805円、前週末比 −139円(−2.81%)。松井証券の株価ページでは14:30時点 4,797円(−2.97%) |
|---|---|
| 19日の安値(9:38) | 4,622円、−322円(−6.51%)。日経によると7月30日以来の安値。前週末16日の終値は4,944円 |
| 年初来高値・安値(Yahoo!ファイナンス、松井証券) | 高値 9,074円(6/2)、安値 3,365円(3/23) |
| 日経平均への寄与(10/19 前引け、財経新聞) | ソフトバンクG −196.60円、アドバンテスト −209.27円。2銘柄で約405円の押し下げ |
| OpenAIへの出資(ロイター、10/2) | 累計 646億ドル、持ち分 約13%。10/2に100億ドルの追加出資を完了 |
| 社債の発行(ロイター、9/24) | 111億ドル(ドル建て・ユーロ建て)。ハイイールド債として過去最大。ドル建ての利率 8.625〜9.75% |
| アライド・ユニバーサルの買収検討(ブルームバーグ、10/16) | 株式価値 最大180億ドル、約120億ドルの公開債務を含め総額300億ドル近く。日経は「最大4.7兆円」。協議は初期段階 |
次に見るポイント
- 10/19 15:30 大引け。4,622円の安値を割らずに引けるか、戻りの幅
- アライド・ユニバーサルの協議の進展(ブルームバーグ・ロイターの報道では初期段階。価格・最終決定はまだ)
- 10/21(日本時間22日朝)テスラ・メタの決算。AI投資への市場の見方
- 11/10 ソフトバンクグループの2027年3月期第2四半期決算(IRカレンダー)。OpenAIの評価、資金調達、LTV
- OpenAI関連の資金調達の続報(9月の111億ドルの社債、8月の100億ドルの担保借り入れに続く動き)
関連する動画
出典
- ソフトバンクグループ IRカレンダー(11/10 第2四半期決算)
- Yahoo!ファイナンス ソフトバンクグループ(9984)
- 日経「ソフトバンクG、株価2カ月半ぶり安値 AI投資懸念強まる」(10/19)
- 財経新聞「日経平均は大幅反落、アドバンテストとソフトバンクGの2銘柄で約405円押し下げ」(10/19)
- Bloomberg「SoftBank Is Said to Weigh Buying Top US Security Firm Allied」(10/16)
- Reuters(The Star 掲載)「SoftBank weighs $18 billion acquisition of Allied Universal」(10/17)
- Reuters(Yahoo Finance UK 掲載)「SoftBank shares slide after completing final tranche of OpenAI investment」(10/2)
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



