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速報 | IPO・アジア株

韓国のAI企業エリス、上場初日に一時34%安 日経平均も一時1000円安

韓国のAIデータセンター企業エリスグループが20日、コスダック市場に上場し、株価は公開価格を一時34%下回った。機関投資家の需要は募集の約389倍と人気を集めた上場だっただけに、AIインフラへの投資に対する警戒をあらためて映した。韓国の株価指数KOSPIは4%を超えて下げ、日経平均も一時1000円あまり下落した。

日向かなえ ・ 特集 13:49 ・ 2026年10月20日
韓国のAI企業エリス、上場初日に一時34%安 日経平均も一時1000円安
画像:ヨリビケ(AI生成)

韓国のポータル、ネイバーの相場データ(取引所の実時間値)によると、エリスグループの株価は公開価格9万500ウォンに対し、7万5700ウォン(16.4%安)で取引が始まった。その後も売りが続き、一時5万9300ウォン(34.5%安)まで下げ、13時45分時点では6万400ウォン(33.3%安)だった。公開価格は仮条件(7万400〜9万500ウォン)の上限で決まり、調達額は約2011億ウォン。ブルームバーグは今年のコスダックで最大のIPOで、約240億円にあたると伝えた。Investing.comによると、機関投資家の需要は募集株数の388.84倍、個人の申込倍率は408.26倍で、集まった証拠金は10兆ウォンを超えていた。

報道によると、エリスは2015年に韓国科学技術院(KAIST)の博士課程の学生が創業したプログラミング教育の会社で、その後GPU(AI向け半導体)を貸し出すクラウドと、工場で組み立てて現地に据える「モジュール型」のデータセンターに軸足を移した。AI向けの計算能力の貸し出しに特化した新興のクラウド事業者「ネオクラウド」の一つで、米国のコアウィーブと同じ分類になる。Investing.comによると2026年1〜6月期の売上高は344億ウォン、営業利益は103億ウォン。調達した資金は韓国内のデータセンターのほか、米国・日本・シンガポールへの展開に使うとしている。

急落の背景として、報道はAIインフラへの投資が回収できるのかという疑問を挙げる。Investing.comは、費用のかさむデータセンター投資に対する投資家の懐疑が強まったと分析した。同じ記事によると、エヌビディアが出資するオーストラリアのファーマスは先週、50億ドル規模の上場計画を棚上げした。コアウィーブは借金による拡大への疑問から株と社債が売られている(ヨリビケの20日の特集)。ブルームバーグの報道(bloomingbit経由)によると、米10年債の利回りが5.14%近くまで上がったことも重なり、外国人投資家は取引開始から約2時間で4億8000万ドルの韓国株を売り越した。

売りは韓国の半導体株と日本のAI関連株に広がった。KOSPIは13時45分時点で5527.33と前日比4.17%安、SKハイニックスは4.93%安。東京では日経平均が10時17分に6万3902円10銭(1014円60銭安)まで下げた(株探・みんかぶ)。前引けは404円35銭安まで戻したが、午後は再び下げ幅を広げ、13時30分は705円91銭安だった。下げを主導したのはAI投資を進めるソフトバンクグループ(5.90%安)や、データセンター向けの光ファイバーを手がけるフジクラ(6.22%安)で、国内のGPUクラウド大手のさくらインターネット(3.54%安)やキオクシア(2.13%安)も下げた(いずれも13時45分時点、Yahoo!ファイナンス)。一方で、アドバンテストなど一部の半導体株には買いも入った。

この先は、AIに巨額の投資をしている米国企業の決算が焦点になる。米国時間21日(日本時間22日朝)にはメタやテスラが決算を発表し、Investing.comは、メタの設備投資の計画がAIインフラ企業全体の見方を左右するとして注目されていると伝えた。国内ではさくらインターネットが28日、キオクシアが30日に決算を予定している。エリスは上場初日の値動きが大きく、2日目以降に公開価格との差がどうなるかは、アジアで準備が進むAI関連の上場の地合いを測る手がかりにもなる。

数字で見る

エリスの公開価格(仮条件の上限)9万500ウォン(仮条件 7万400〜9万500ウォン)
上場初日の値動き(ネイバー、10/20 13:45)始値 7万5700ウォン(−16.4%)、安値 5万9300ウォン(−34.5%)、現在 6万400ウォン(−33.3%)
IPOの規模と人気(Investing.com・ブルームバーグ)調達 約2011億ウォン(約240億円)、機関の需要 388.84倍、個人 408.26倍
KOSPI(ネイバー、10/20 13:45)5527.33(−240.68、−4.17%)、安値 5493.24
日経平均(株探・Yahoo!ファイナンス)10:17 6万3902円10銭(−1014円60銭)→ 前引け −404円35銭 → 13:30 6万4210円79銭(−705円91銭)
日本のAI関連株(Yahoo!ファイナンス、13:45)ソフトバンクG −5.90%、フジクラ −6.22%、さくらインターネット −3.54%、キオクシア −2.13%
ヨリビケの見方ネイバーの時価総額と株価からヨリビケが計算すると、エリスの発行済み株式は約1113万株で、公開価格での時価総額は約1兆70億ウォン。13時45分時点の時価総額は約6722億ウォンなので、上場から半日足らずで約3350億ウォンが減った。IPOで集めた約2011億ウォンの約1.7倍にあたる。同じ時点までの売買高は約468万株と、新たに売り出された222万2000株の約2.1倍に達しており、上場直後に持ち手が大きく入れ替わったことが分かる。

次に見るポイント

  • 20日(火)15:30 韓国・東京の大引け。KOSPIとエリスの終値、日経平均の下げ幅
  • 21日(水)以降 エリスの上場2日目。公開価格9万500ウォンとの差
  • 米国時間21日(日本時間22日朝) メタ・テスラの決算。AI向けの設備投資の計画
  • 28日 さくらインターネット、30日 キオクシアの決算

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。