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速報 | 日本株

パナソニック、ペロブスカイト量産を1年前倒し 動いたのは原料ヨウ素の伊勢化学

パナソニックHDは20日、ガラス型のペロブスカイト太陽電池の本格量産を当初の2030年度から1年早め、2029年4月に滋賀県長浜市で始めると発表した。21日の東京市場では、発表した本人の株価はほぼ横ばいで、主な原料であるヨウ素をつくる伊勢化学工業(4107)が一時7%超高と大きく動いた。

桐生レオン ・ 特集 14:50 ・ 2026年10月21日
動画:TBS NEWS DIG「次世代の太陽電池『ペロブスカイト太陽電池』2029年からパナソニックが量産開始」 YouTube で見る

パナソニックHDの発表(20日15時50分)によると、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産を2029年4月に、滋賀県長浜市で整備中の拠点で始める。もとの計画は2030年度で、1年の前倒しになる。2026年9月からは大阪府守口市の開発拠点でつくる先行量産品をすでに売り始めており、お客と設置・運用のノウハウをためているという。前倒しの理由には、技術開発の進展、市場の期待の高まり、国の政策の後押しを挙げた。2025年9月には、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)のグリーンイノベーション基金の事業にも選ばれている。時事通信と日経も同じ日程を伝えている。

21日の株価は対照的だった。株探によると、14時半時点でパナソニックHD(6752)は3866円と前日比0.31%安。一方、伊勢化学工業は14時29分時点で3990円と前日比270円(7.26%)高で、みんかぶでも同じ7.26%高だった。日経平均もこの時間は500円超高く、市場全体が上がる日ではあったが、伊勢化の上げ幅はそれを大きく上回る。MINKABU PRESS(株探に掲載)は、伊勢化が生産・販売するヨウ素がペロブスカイト太陽電池の主原料として知られていることから、パナソニックの発表をきっかけに買いが向かったと伝えた。

なぜヨウ素なのか。ペロブスカイト太陽電池は、薄い膜を塗ってつくる次世代の太陽電池で、発電する層の材料にヨウ素の化合物を使う。米地質調査所(USGS)の資料や千葉大学の資料によると、日本のヨウ素の生産はチリに次ぐ世界2位で、世界の約3割にあたり、その大半を千葉県が占める。原料を国内で確保しやすいことが、国がペロブスカイトに力を入れる理由の一つになっている。経済産業省は2024年11月の「次世代型太陽電池戦略」で、2040年に約2000万キロワット(約20ギガワット)の導入をめざすとした(日刊工業新聞の報道)。

波及は親会社にもつながる。伊勢化の有価証券報告書によると、親会社はAGC(5201)で、持ち株比率は53.5%。伊勢化はヨウ素の原料となる「かん水」をAGCから仕入れ、売上の28.0%はAGC向け、18.4%は三菱商事向けだ(連結売上高の10%以上の販売先)。米オクラホマ州にもヨウ素と天然ガスをつくる子会社を持つ。21日14時半時点で、AGCは前日比1.11%高、フィルム型のペロブスカイトを手がける積水化学工業(4204)は0.63%高(いずれも株探)。ただ、市場全体が上がっている日なので、この小幅な上げをペロブスカイトの材料だけで説明することはできない。

気をつけたいのは、量産が始まるのは2年半先で、パナソニックは今回の発表で生産能力や投資額を示していない点だ。つまり、この前倒しでヨウ素の需要がどれだけ増えるかは、今の開示からは計算できない。この先は、パナソニックHD(10月30日)、積水化学(10月30日)、伊勢化学(11月4日)の決算が並ぶ。パナソニックが量産の規模や投資額を示すか、伊勢化がペロブスカイト向けの需要や見通しについて何を語るかが、次の材料になる。

数字で見る

パナソニックHDの本格量産2029年4月から、滋賀県長浜市(もとの計画は2030年度。10/20 会社発表)
先行量産品の販売2026年9月から、大阪府守口市の開発拠点で生産(会社発表)
伊勢化学工業(4107)3990円、前日比+270円(+7.26%)(10/21 14:29、株探。みんかぶも+7.26%)
パナソニックHD(6752)3866円、前日比−12円(−0.31%)(10/21 14:30、株探)
伊勢化の親会社AGC、持ち株比率53.5%(伊勢化の有価証券報告書)
日本のヨウ素の生産チリに次ぐ世界2位、世界の約3割(USGS、千葉大学)
国の導入目標2040年に約2000万キロワット(経産省「次世代型太陽電池戦略」2024年11月、日刊工業新聞)
ヨリビケの見方株探の時価総額(約2049億円)と上昇率から計算すると、伊勢化の時価総額は21日14時29分時点で前日より約139億円増えた。一方、発表したパナソニックHDの時価総額は約9.49兆円と伊勢化の約46倍で、0.31%安は約290億円の減少にあたる。発表の主役ではなく、原料をつくる会社に買いが集まった形だ。親会社AGCの持ち分(53.5%)に当てはめると、伊勢化の上げのうち約74億円分がAGCの持つ株の値上がりになる(いずれもヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 10/30:パナソニックHDの決算。ペロブスカイトの量産の規模・投資額を示すか
  • 10/30:積水化学工業の決算。フィルム型ペロブスカイトの進み具合
  • 11/4:伊勢化学工業の決算。ヨウ素の値段と、ペロブスカイト向けの需要の見方
  • 2029年4月:パナソニックの長浜拠点で本格量産が始まる予定

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動画:Channel Panasonic - Official「Panasonic GREEN IMPACT - ガラス型ペロブスカイト太陽電池」 YouTube で見る

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。