スペースX、上場後2回目の決算は21日朝 予想は売上6割増
スペースX(SPCX)は米国時間20日の取引終了後に7〜9月期決算を発表し、日本時間21日5時30分から説明会を開く。売上高の市場予想は約127億〜129億ドルで、4〜6月期の78億ドルから6割強の増加になる。株価は上場後の高値から3割強下がっており、AIへの巨額の投資を売上で回収できるかが問われる。
桐生レオン ・ 特集 09:49 ・ 2026年10月20日スペースXの投資家向けサイトによると、7〜9月期の決算説明会(音声のみ)は米中部時間20日15時30分、日本時間では21日5時30分に始まる。同社は6月に公開価格135ドルでナスダックに上場し、今回は上場後2回目の決算になる。市場予想は集計によって差があり、ヤフーファイナンスはブルームバーグの集計として売上高127億ドル・調整後1株利益0.15ドル、ティップランクスは売上高約129億ドル・1株利益0.14ドルと伝えている。ティップランクスによると、4〜6月期は1株あたり0.09ドルの赤字だった。
前回の4〜6月期は、SEC に出した決算資料によると売上高78億1400万ドル(前年同期比92%増)、純損失5億4100万ドル。部門別ではスターリンクなどの通信が42億9100万ドル、xAI の「Grok」などのAI部門が25億6100万ドル、ロケットなどの宇宙部門が9億6200万ドル。CBSニュースによると売上高はファクトセット集計の市場予想(68億ドル)を上回ったが、設備投資が183億6900万ドルにのぼり、そのうちAIが158億2800万ドルを占めたことが嫌われ、株価は時間外取引で7%下げた。
今回の注目は、売上の伸びがAIの投資に追いつくかどうかだ。ヤフーファイナンスによると、ブレット・ジョンセン最高財務責任者(CFO)は先月、年末までに年換算の売上(ARR)を1000億ドルにすると述べている。4〜6月期の資料では、AIコーディングの「Cursor(カーソル)」を600億ドルで買う案件を7〜9月期に完了する見込みとしていた。スターリンクは契約者が1年で倍の1200万人になった一方、1契約あたりの月の売上は85ドルから66ドルに下がった。携帯会社のように直接スマホとつなぐ事業(ヨリビケの10/18の特集)の計画も、説明会で触れられるかが焦点になる。
波及は株の需給にも及ぶ。目論見書を引く報道(マッシュアップ・リポーター)によると、上場前からの株主の売却制限(ロックアップ)の一部が決算発表の2営業日後に外れ、その数は最大約13億株とされる。標準の売却制限がすべて外れるのは12月8日。AIの設備投資の大きさは、GPUやメモリーの需要にもつながる。日本でも、GMOインターネットの社長がメモリー不足や為替でGPUサーバーの調達費用が「大きく上がって」いると説明しており(同社の8月の決算説明会)、米国の大手のAI投資の続き方は、半導体だけでなくAIクラウドを営む国内企業のコストにも関わる。
この先は、21日朝の決算でAI部門の売上と赤字の幅、7〜9月期の設備投資と手元資金(6月末は現金同等物935億ドル)、ARRの数字、スターリンクの契約者数と1契約あたりの売上が並ぶ。ティップランクスによると、オプション市場は決算後の株価の動きを上下7.8%程度と見込んでいる。翌日にはイーロン・マスク氏が率いるもう一つの会社、テスラの決算(日本時間22日朝)が続き、マスク氏の2社の決算が2日連続で出る週になる。
数字で見る
| 決算の日程(スペースX IR) | 米国時間10/20(火)引け後に発表、説明会は日本時間10/21(水)5:30から |
|---|---|
| 7〜9月期の市場予想(集計により差) | 売上高 約127億〜129億ドル(ブルームバーグ集計・ティップランクスなど)、調整後1株利益 0.14〜0.15ドル |
| 4〜6月期の実績(SEC 8-K) | 売上高 78.14億ドル(前年同期比+92%)、純損失 5.41億ドル(前年同期は10.08億ドルの損失) |
| 4〜6月期の部門別売上(SEC 8-K) | 通信 42.91億ドル/AI 25.61億ドル/宇宙 9.62億ドル |
| 4〜6月期の設備投資(SEC 8-K) | 183.69億ドル(うちAI 158.28億ドル)。6月末の現金同等物 935.22億ドル+有価証券 64.87億ドル |
| スターリンク(SEC 8-K、6月末) | 契約者 1200万人(1年前の2倍)、1契約あたり月66ドル(1年前85ドル) |
| 株価(StockAnalysis・ヤフーファイナンス) | 10/19 終値 147.96ドル(+1.32%)。10/12 は163.42ドル、上場後の高値は6/16の225.64ドル、公開価格135ドル |
次に見るポイント
- 10/21(水)5時台(日本時間) 7〜9月期決算:売上高が市場予想の127億〜129億ドルに届くか、AI部門の売上と営業赤字の幅
- 同日5:30〜 説明会:年末のARR 1000億ドルの見通し、設備投資と資金の調達(借入・社債)、Cursor 買収の連結の影響
- スターリンク:契約者数と1契約あたりの売上、スマホに直接つなぐ携帯事業の計画
- 決算の2営業日後(米国時間10/22ごろ) 上場前からの株主の売却制限の一部が解除。12/8 に標準の制限がすべて解除
- 10/22(木)朝(日本時間) テスラの7〜9月期決算
関連する動画
出典
- SpaceX 投資家向けサイト「Q3 2026 Earnings」(説明会の日程)
- SpaceX 4〜6月期決算資料(SEC Form 8-K)
- Yahoo Finance「SpaceX earnings preview: AI spending, annual recurring revenue now becoming the bigger story」(10/20)
- TipRanks「SpaceX Q3 Earnings Preview: Options Market Signals 7.8% Move」(10/19)
- CBS News「SpaceX shows strong growth in its first earnings report since going public」(8/5)
- マッシュアップ・リポーター「SpaceX(SPCX)決算はいつ?日本時間10月21日早朝」(10/19)
- StockAnalysis SPCX の株価の推移
※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。



