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速報 | 米国株

米電力株が4〜7%高 マスク氏「制約は電力」、トランプ氏「自前で発電を」

21日の米国市場で、AI向けの電力に関わる銘柄がそろって上げ、燃料電池のブルーム・エナジーは7.27%高だった。前日夜にマスク氏が「AIの制約は半導体より電力と冷却」と語り、21日朝にはトランプ大統領が「大型データセンターは電気を自前でつくるべきだ」と投稿した。電力会社全体の指数は0.3%高にとどまり、資金は発電設備や自家発電の銘柄に集まった。

日向かなえ ・ 特集 07:55 ・ 2026年10月22日
米電力株が4〜7%高 マスク氏「制約は電力」、トランプ氏「自前で発電を」
画像:ヨリビケ(AI生成)

ナスダックの公表値によると、21日の終値はブルーム・エナジー(燃料電池)が7.27%高、原発を持つコンステレーション・エナジーが4.60%高、データセンターの電源・冷却設備のバーティブが4.26%高、ガスタービン大手のGEベルノバが4.03%高、発電会社のビストラが3.91%高だった(Yahoo Finance の値動きとも一致)。S&P500は0.58%高、公益(電力・ガス)株の上場投資信託XLUは0.32%高だった。ただ、取引終了後の時間外(米東部時間18:45時点)では5銘柄とも0.3〜0.9%安と、上げの一部を戻している。

きっかけは3つ重なった。Stocktwits(Yahoo Finance が転載)によると、20日夜(米国時間)のスペースXの決算説明会で、イーロン・マスク氏が「超知能の展開を制約しているのは、半導体よりも電力と冷却とインフラだ」と述べ、来年に20ギガワット分の電力・冷却設備を増やす目標を示した。エヌビディアのジェンスン・フアンCEOも、独ベルリンでの自社イベントでの Yahoo Finance のインタビューで、電力はこの先2年ほどAI拡大の「大きなボトルネックの一つ」であり続けると話した。そして21日朝(米国時間)、トランプ大統領が SNS のトゥルース・ソーシャルに、新しい大型データセンターは「自分で電気をつくるよう私が義務づけた」と書き、余った電気は地域や送電網に回すか売るよう求めた(Yahoo News、みんかぶ)。

ただし、投稿は方針の表明で、大統領令などの手続きは示されていない。Yahoo News によると、具体的な仕組みは不明で、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)は今月、大きな送電網につなぐ前に自前の発電を求める案を退けている。トランプ氏は、施設を受け入れる地域の住民に「配当」を払うことも提案した。背景には、データセンターが増えて家庭の電気代が上がることへの反発がある。同じ報道では、ペンシルベニア州の町で、住民1人あたり1万ドルを払うという約束があってもアマゾンのデータセンター計画が否決された例が紹介されている。

波及は電力会社そのものより、発電の設備と「敷地内で電気をつくる」技術に向いた。公益株全体(XLU)がほとんど動かなかった一方で、燃料電池・ガスタービン・原発・電源設備の銘柄が上げたのは、送電網に頼らず発電所を併設する形(いわゆるビハインド・ザ・メーター)が広がるとの見方を映している。日本にも関わりがある。ガスタービンは三菱重工業や GEベルノバなど限られたメーカーが手がけ、データセンター向けの電線・光ファイバーや変圧器も、AI投資の広がりとともに注目されてきた業種だ。

この先は、トランプ氏の投稿が実際のルールや手続きになるかが焦点になる。28日(米国時間)にはマイクロソフトとアルファベットが決算を出す予定で、データセンターへの投資計画と、その電気をどう確保するかの説明が手がかりになる。今朝の東京市場では、重電や電線の株がこの流れをどう受けるかを見ておきたい。

数字で見る

ブルーム・エナジー(BE)10/21 終値238.84ドル(+7.27%)(Nasdaq)
コンステレーション・エナジー(CEG)270.74ドル(+4.60%)(Nasdaq)
バーティブ(VRT)212.23ドル(+4.26%)(Nasdaq)
GEベルノバ(GEV)926.24ドル(+4.03%)(Nasdaq)
ビストラ(VST)156.20ドル(+3.91%)(Nasdaq)
比較:S&P500/公益株ETF(XLU)7757.17(+0.58%)/42.02ドル(+0.32%)(Nasdaq・Yahoo Finance)
時間外(米東部時間 10/21 18:45)5銘柄とも0.30〜0.92%安(Nasdaq)
ヨリビケの見方5銘柄の上昇率の平均は4.81%で、公益株全体(XLU、+0.32%)の約15倍、S&P500(+0.58%)の約8倍だった。同じ「電力」でも、送電網で電気を売る電力会社より、発電所や電源の設備をつくる側・自前で発電する側に買いが集まった1日だった(ナスダックの終値からヨリビケ計算)。

次に見るポイント

  • 22日(木)9:00 東京市場:重電・ガスタービン(三菱重工業など)や電線株の反応
  • トランプ氏の「自前で発電」が大統領令や規制の手続きになるか(日程は未定)
  • 28日(水)米国時間:マイクロソフト・アルファベットの決算。データセンター投資と電気の確保の説明
  • 時間外で小幅安となった電力関連株が、22日の取引で上げを保つか

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。