テレ朝HD、村上氏の長女側が5.06%保有 非公開化なども提案
旧村上ファンド系の投資会社シティインデックスイレブンスと、村上世彰氏の長女の野村絢氏が、テレビ朝日ホールディングス(9409)の株式を合わせて5.06%持っていることが、22日16時すぎに提出された大量保有報告書で分かった。6月の時点で判明していた野村氏の保有(1.86%)から大きく増えた。報道によると、保有目的には資本政策の変更や株式の非公開化の提案などが記されている。
日向かなえ ・ 特集 18:45 ・ 2026年10月22日報告書によると、シティインデックスイレブンスと共同保有者の野村絢氏の保有株数は548万8800株で、発行済み株式(1億852万9000株)の5.06%にあたる。5%を超えて報告の義務が生じた日は10月15日、提出は22日16時4分だった(EDINET、株探)。株数の大部分は野村氏の分で、日本経済新聞も保有比率を5.06%と報じている。テレ朝HDが6月の株主総会の招集通知で示した3月末の大株主一覧では、野村氏は195万2100株(1.86%)を持つ第8位の株主だった。
日経によると、保有目的には資本政策の変更や株式の非公開化の提案などが記されている。村上氏側はこれまで投資先に、政策保有株(取引先などと持ち合う株)の売却や株主還元の拡充を求めてきた。テレ朝HDは東映などと株式を持ち合っており、日経は、テレ朝HDにも政策保有株の売却などで資本効率の改善を求める可能性があると伝えている。テレ朝HDの株価純資産倍率(PBR)は0.71倍(株探、22日時点)で、会社の帳簿上の純資産より株式の時価総額が小さい状態が続いている。
テレ朝HDの株主構成には特徴がある。3月末の大株主一覧では、朝日新聞社が20.21%、東映が17.70%を持ち、この2社だけで約38%になる(自己株式を除いた比率)。逆にテレ朝HDも東映の株を持っており、東映の株価や経営方針にも話が広がりうる。22日の東京市場では、日経平均が1713円安(2.65%安)と大きく下げる中、テレ朝HDは95円高の3360円(2.91%高)、東映は1.17%高で取引を終えた。報告書の提出は取引終了の後なので、日中の値動きは報告書を受けたものではない。取引終了後の夜間の私設取引(PTS)では、テレ朝HDは18時35分時点で3431円と、東証の終値を2.11%上回っていた(Yahoo!ファイナンス)。
村上氏側とテレビ局の関わりでは、フジ・メディア・ホールディングスの例がある。村上氏側はフジHD株の買い増しを続けて筆頭株主になり、不動産事業の切り離しなどを求めていたが、共同通信によると、フジHDは2026年2月5日、村上氏側などから約6120万株、約2350億円分の自社株を買い取り、対立はいったん収まった。今回は、テレ朝HDと村上氏側の対話がどう進むか、会社側がどう説明するかが焦点になる。
この先は、テレ朝HDの中間決算(株探の予定では11月12日)で、政策保有株の扱いや株主還元の方針に新しい説明があるかが確かめどころになる。保有比率が1%以上動けば5営業日以内に変更報告書が出るため、EDINETの開示で買い増しの有無が分かる。ほかの民放キー局のPBRも、株探の22日時点でTBSホールディングス0.57倍、日本テレビホールディングス0.70倍、テレビ東京ホールディングス0.87倍と1倍を下回っている。
数字で見る
| 村上氏側の保有比率(共同保有) | 5.06%・548万8800株(義務発生日 10月15日、22日提出)(EDINET・株探、日経) |
|---|---|
| 3月末の野村絢氏の保有 | 195万2100株・1.86%、第8位株主(テレ朝HD 株主メモ) |
| 大株主の上位2社(3月末) | 朝日新聞社 20.21%、東映 17.70%(テレ朝HD 株主メモ) |
| テレ朝HD株(22日終値) | 3360円(+95円、+2.91%)(株探、Yahoo!ファイナンス) |
| 日経平均(22日終値) | 6万2907円84銭(−1713円40銭、−2.65%)(株探) |
| テレ朝HDの時価総額・PBR(22日) | 3647億円・0.71倍(株探) |
| フジHDの自社株の買い取り(2026年2月5日) | 約6120万株・約2350億円、村上氏側などから(共同通信) |
次に見るポイント
- 10月23日(金):東京市場でのテレ朝HD株の反応(報告書の提出は22日の取引終了後)
- テレ朝HDの会社側のコメントや開示(村上氏側との対話についての説明があるか)
- 11月12日(木)予定:テレ朝HDの中間決算(政策保有株・株主還元の方針)
- EDINET:変更報告書(保有比率が1%以上動いたとき、5営業日以内に提出)
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出典
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