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伊勢化学7.9%高で高値引け パナソニックがペロブスカイト量産1年前倒し

伊勢化学工業(4107)は前日比295円(7.93%)高の4015円と、この日の高値で取引を終えた。パナソニックHDが20日、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産を1年前倒しすると発表し、株探によると、主な原料のヨウ素で世界有数の供給量を持つ伊勢化学に買いが向かった。

御堂聡一 ・ 夕刊 16:09 ・ 2026年10月21日
動画:TBS NEWS DIG Powered by JNN「次世代の太陽電池『ペロブスカイト太陽電池』2029年からパナソニックが量産開始」 YouTube で見る
伊勢化学工業 終値 4,015円(10/21)
+7.9%
▲295円

伊勢化学は3880円で始まり、引けにかけて上げ幅を広げて4015円の高値で終えた。出来高は45万9100株で、前日(13万9400株)の約3.3倍だった(株探・Yahoo!ファイナンス)。発表した当のパナソニックHD(6752)は9時7分に4.74%高の4062円まで上げたが、13時16分には3795円まで下げ、終値は0.70%高の3905円にとどまった。株探は、パナソニックHDの上げは全体相場の改善が追い風で、量産の前倒しも材料視された面があるとしている。

パナソニックHDの20日の発表によると、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の本格量産の開始を、当初の2030年度から2029年4月に1年前倒しし、滋賀県長浜市に整備中の拠点で生産する。これに先立ち、2026年9月から大阪府守口市の開発拠点で作る先行量産品の販売を始めた。窓や壁など、これまで発電に使われてこなかった建物の面を「発電するガラス」にする建材一体型の製品で、技術開発の進展に加え、市場の期待や政策の後押しを踏まえて前倒しを決めたという。

なぜ化学株が買われたのか。ペロブスカイト太陽電池は、発電する層にヨウ素の化合物を使う。日刊工業新聞(2024年)によると、日本のヨウ素の生産量はチリに次ぐ世界2位でシェアは約30%、埋蔵量は世界一とされる。伊勢化学は自社サイトで、世界の生産量に占める同社のシェアを10%強、国内では30数%としており、米国オクラホマ州にも生産子会社を持つ。株探によると、同社はAGC系の会社だ。

同じペロブスカイト太陽電池でも、フィルム型の事業化を進める積水化学工業(4204)はこの日0.22%高と小幅だった。値動きは、量産を前倒しした製品のメーカーよりも、原料を持つ会社に大きく出た。ただ、ガラス型の本格量産は2029年からで、先行量産品の販売も26年9月に始まったばかりの段階だ。

この先は各社の決算で、ペロブスカイト関連の説明が出るかが焦点になる。パナソニックHDは30日、伊勢化学は11月4日に決算を発表する予定(株探)。パナソニックHDの先行量産品がどこに導入されるかや、長浜拠点の準備の進み具合も、量産計画の確かさを見る材料になる。

数字で見る

伊勢化学工業(4107)終値(10/21)4,015円(+295円、+7.93%)、高値引け
伊勢化学 出来高(10/21)459,100株(前日 139,400株)
パナソニックHD(6752)(10/21)終値 3,905円(+27円、+0.70%)、高値 4,062円(9:07)
本格量産の開始(パナソニックHD発表、10/20)2029年4月(当初は2030年度)、滋賀県長浜市の拠点
伊勢化学のヨウ素生産量シェア(同社サイト)世界 10%強、国内 30数%
日本のヨウ素生産(日刊工業新聞、2024年)チリに次ぐ世界2位、シェア約30%
決算の予定(株探)パナソニックHD 10/30、伊勢化学 11/4
ヨリビケの見方21日の時価総額の増加は、伊勢化学が約152億円(295円×発行済み株式約5135万株)、パナソニックHDが約663億円(27円×約24.5億株)だった。会社の規模(時価総額)は伊勢化学がパナソニックHDの約46分の1だが、上昇率は約11倍だった。伊勢化学の株価は10月6日の終値(4075円)にはまだ届いていない。

次に見るポイント

  • 30日(金)パナソニックHDの決算(株探)
  • 11月4日(水)伊勢化学工業の決算(株探)
  • パナソニックHDの先行量産品(26年9月発売)の導入先と、長浜拠点の量産準備
この話題を伝えた動画今日の1分夕刊(10/21)御堂聡一

出典

※情報提供のみを目的としており、投資助言ではありません。投資判断はご自身で。